Google は、Google メッセージの RCS ビジネスメッセージングにおいて、新たに PDF ファイルの共有機能をサポートしたことを発表しました。これにより、企業は航空券やイベントのチケットなどを直接ユーザーに送信できるようになり、利便性が向上します。
RCS ビジネスメッセージングで PDF 共有が実現
これまで、RCS は画像や動画など多くのメディアファイルに対応していましたが、PDF を送信するにはメールや他のメッセージングアプリを利用する必要がありました。
今回のアップデートにより、企業はリッチカード形式で PDF ファイルを Google メッセージ経由で送信できるようになります。これにより、ユーザーは航空券やイベントのパス、製品のパンフレットといった書類を、使い慣れたメッセージアプリ内で直接受け取れるようになり、アプリを切り替える手間が省けます。
機能の仕組みと制限
共有された PDF ファイルは、最初のページを基にしたプレビュー画像が表示されます。ユーザーがプレビューをタップすると、デバイスの PDF ビューアでファイルが開く仕組みです。ファイルがパスワードで保護されているなど、プレビューが生成できない場合は、指定されたサムネイル画像かデフォルトのアイコンが表示されます。
また、Google はデータ通信量への配慮からか、PDF を含むすべてのメディアファイルに対して、1メッセージあたり 100MB の添付ファイル上限を設けています。

懸念点と今後の展開
この PDF 共有機能は、現在インドで先行して提供が開始されています。一方で、インド市場では RCS ビジネスメッセージングを利用した広告スパムが問題となっており、今回の機能追加によって PDF 形式のスパムが増加する可能性も懸念されます。
この機能がグローバル市場に展開されるかどうかは、インドでの利用状況や課題への対応を踏まえて判断されることになりそうです。
まとめ
Google メッセージにおける PDF サポートは、企業とユーザー間のコミュニケーションがよりシームレスになり、これまでメールに頼らざるを得なかったドキュメントのやり取りがメッセージアプリで完結するのは、利便性を向上させるアップデートです。
ただし、スパムへの悪用という懸念も残されており、Google が今後、どのようにして利便性とセキュリティのバランスを取っていくかが課題となります。とはいえ、そもそもグローバルで展開されるかどうかは、まだ分かりません。
出典: Android Authority, RCS Business Messageing Developers Docs