Google は 2025 年 8 月 6 日(現地時間)、「Gemini」に新たな学習用機能「ガイド付き学習(Guided Learning)」を導入したことを公式ブログで発表しました。
この機能は、単に答えを提示するのではなく、ユーザーが能動的に情報と関わることで、トピックに対する深い理解を促すことを目的としています。
答えの先にある「理解」を目指す
「ガイド付き学習」は、学習科学の「人は情報に積極的に関わることで最もよく学ぶ」という知見に基づいて設計されています。主な特徴は以下の通りです。
- 対話形式の進行: ユーザーに探究的な質問や自由回答形式の問いを投げかけることで、対話を生み出し、主題を深く掘り下げます。
- 段階的な解説: 問題をステップごとに分解し、ユーザーのニーズに合わせて説明を調整することで、知識やスキルの構築を支援します。
- 多様な応答形式: 画像、図、動画、インタラクティブなクイズといったリッチでマルチモーダルな応答を提供し、知識の定着を助けます。
試験勉強やレポート作成、趣味の探求まで、さまざまな場面で個人の学習パートナーとして機能します。
学習に特化した AI モデル「LearnLM」が基盤
この新機能の背景には、学習に特化して微調整されたモデルファミリー「LearnLM」の存在があります。LearnLM は、Google が教育者、学生、教育専門家と連携して、教育研究に基づいて開発したものです。
開発にあたり、学習者からは「簡単な答えから深い理解へ進みたいが方法がわからない」「安心して質問できる場所が欲しい」といった声が寄せられました。「ガイド付き学習」は、こうしたニーズに応えるため、誰でも自分のペースで安全にトピックを探求できる、判断を挟まない対話空間として設計されています。
教育現場での活用
Google は、教育者がこの機能を指導のパートナーとして活用することも想定しています。生徒が答えを得るだけでなく、批判的思考力を養うことを促すツールとして利用できます。教育者が Google Classroom で生徒と簡単に共有できる専用リンクも提供されます。
Googleは、「ガイド付き学習」が「世界中の誰もが世界中のあらゆることを学べるように支援する」という道のりにおける重要な一歩であるとし、今後もAIがすべての学習者に利益をもたらすよう、研究と協力を続けていくとしています。
詳しい内容は、Google 公式ブログの「Guided Learning in Gemini: From answers to understanding」をご覧ください。
なお、この機能はすでに筆者の Google Workspace アカウントなどでも利用可能になっていることを確認しています。

出典: Google