Google Pixel 10 シリーズが正式発表。日本でも予約開始、28日から順次販売

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Google は 2025 年 8 月 21 日、予告していたように新しい Google Pixel 10 シリーズを正式に発表しました。

Pixel 10 シリーズには、標準モデルの Pixel 10、Pro モデルの小さい Pixel 10 Pro と、大きい Pixel 10 Pro XL、そして折りたたみ式モデルの Pixel 10 Pro Fold を含む 4 つのモデルがあります。

いずれのモデルも日本で予約を開始していますが、Pixel 10 Pro Fold のみ 10 月 9 日より順次発送、Pixel 10 および Pixel 10 Pro / 10 Pro XL は 8 月 28 日より順次配送となっています。

これまでに様々なリーク情報をお届けしてきましたが、改めて正式発表された Google Pixel 10 シリーズのスペックを紹介していきます。

目次

Pixel 10 シリーズの共通点

まず、今回発表された Pixel 10 シリーズの共通点ですが、主に新しいチップセットと Qi2 規格対応が挙げられます。

新しい Tensor G5 チップセットを搭載

今回、4 つのモデルには Google が設計し、TSMC に製造を委託した初のフルカスタムチップ Google Tensor G5 が搭載されています。

過去の Pixel デバイスに搭載されていた Tensor G4 までのチップは、Samsung が製造を手掛けていましたが、Tensor G5 からは TSMC の 3nm プロセスで製造されています。

これにより、従来のチップからパフォーマンスの向上だけでなく、電力効率や熱設計が改善され、発熱やバッテリー消費の問題が大幅に解消することが期待されています。

一方、すでに GeekbenchAnTuTu などのベンチマークスコアがリークされていましたが、純粋なパフォーマンスでは Qualcomm の Snapdragon 8 Elite や MediaTek の Dimensity 9400+ には遠く及ばず、ミッドハイレンジクラスの性能となっています。

以下は、直近でリークされていたベンチマークスコアの参考値です。

  • Geekbench:
    • シングルコア: 2,300 前後
    • マルチコア: 6,200 前後
  • AnTuTu: 1,140,286 ポイント

しかし、Google は「Pixel と Tensor はベンチマーク上の速度や性能を追求するのではなく、前世代からの確実な改善と AI を重視し、多くのユースケースを満たすために設計している」ことを以前明らかにしています。

つまり、Google としてトータルバランスを重視した結果、このパフォーマンスに落ち着いている点を忘れないでください。

Qi2 ワイヤレス充電規格への対応とマグネット内蔵

続いて、今回の Pixel 10 シリーズの大きな目玉機能と言えば、MagSafe でも知られる Qi2 ワイヤレス充電規格と本体マグネットを内蔵したことです。

正式発表までは様々な噂が飛び交いましたが、最終的に Google は Android スマートフォンとして 2 例目となる、Qi2 とマグネット搭載モデルとなりました(最初は 2024 年に発売された HMD Skyline だが、それ以降 Android で採用機は登場せず)。

これにより、ケースなどを付けなくてもマグネット着脱式のアクセサリーを取り付けることができるようになります。

なお、Pixel 10 と Pixel 10 Pro、Pixel 10 Pro Fold のワイヤレス充電は最大 15W ですが、Pixel 10 Pro XL は最大 25W になっている点が違いです。

Pixel 10 の主な特長

標準モデルとなる Google Pixel 10 は、最大 120Hz リフレッシュレートとピーク輝度 3,000nits、Gorilla Glass Victus による保護を備えた 6.3 インチ 2,424 × 1,080 解像度の Actua ディスプレイを搭載しています。

RAM は 12GB、ストレージ容量は 128GB または 256GB を選択することができます。

Pixel 10 が前世代から進化した点では、標準モデルとしては初めてリアカメラに 10.8MP 光学 5 倍望遠カメラが搭載されました。残る 2 つは 48MP メインカメラと 13MP 超広角カメラと、前世代から大きな変化はありません。

なお、望遠カメラは Pixel 9 Pro Fold、メインカメラは Pixel 9a、超広角カメラは Pixel 9 と、それぞれのカメラは前世代から再利用されているようです。

バッテリーは 4,970mAh、29W 有線充電と 15W Qi2 ワイヤレス充電をサポートしており、本体は IP68 防塵・防水などを備えます。

日本における構成と価格は次のとおりです。

  • 128GB ストレージ: 128,900 円
  • 256GB ストレージ: 143,900 円

Pixel 10 のスペック

Pixel 10
メインディスプレイ6.3インチ Actua OLED
2,424×1,080
最大 120Hz リフレッシュレート
最大輝度 2,000nits (ピーク輝度 3,000nits)
Gorilla Grass Victus 2
CPUTensor G5
RAM12GB
内部ストレージ128GB / 256GB
外部ストレージ
リアカメラ48MP メイン (f/1.7, 1/2″, OIS/EIS)
13MP 超広角 (f/2.2, 1/3.1″)
10.8MP 望遠(f/3.1, 1/3.2″, 光学 5 倍, OIS/EIS)
* 超解像ズーム最大 20 倍
フロントカメラ10.5MP (f/2.2)
ポートUSB-C
バッテリー4,970mAh
29W 有線充電
15W Qi2 ワイヤレス充電
Pixel Snap Wireless Charging
ネットワーク5G / 4G-LTE
Wi-Fi 6E
Bluetooth 6.0
NFC
Felica (おサイフケータイ)
デュアル SIM (nano & eSIM または eSIM ×2)
その他指紋認証
顔認証
IP68 防塵・防水
7 年間 OS、セキュリティアップデート等提供
サイズ152.8 × 72 × 8.6mm
重さ204g
カラーIndigo
Frost
Lemongrass
Obsidian

Pixel 10 Pro / Pixel 10 Pro XL の主な特長

Pro モデルとなる Google Pixel 10 Pro および Pixel 10 Pro XL は、ディスプレイサイズとバッテリー容量を除き、その他の仕様はほぼ共通しています。

小さい Pixel 10 Pro は、標準モデルと同じ最大 120Hz リフレッシュレートに対応した 6.3 インチですが、解像度が 2,856 × 1,280 と上がっています。バッテリー容量は 4,870mAh を搭載します。

もう一方の大きい Pixel 10 Pro XL は、最大 120Hz リフレッシュレートの 6.8 インチ 2,992 × 1,344 解像度を採用し、バッテリー容量は 5,200mAh と Pixel シリーズ史上最大の容量を備えています。

どちらもリアカメラには 50MP メインカメラ、48MP 超広角カメラ、48MP 望遠カメラを搭載し、最大 100 倍のデジタルズームや 8K 夜景モード動画撮影をサポートします。フロントカメラは 42MP を搭載しています。

また、どちらも 16GB RAM を搭載し、ストレージ容量は 256GB または 512GB のいずれかを選ぶことができます。

日本における構成と価格は、次のとおりです。

  • Pixel 10 Pro
    • 256GB ストレージ: 174,900 円
    • 512GB ストレージ: 194,900 円
  • Pixel 10 Pro XL
    • 256GB ストレージ: 192,900 円
    • 512GB ストレージ: 212,900 円

Pixel 10 Pro / Pixel 10 Pro XL のスペック

Pixel 10 ProPixel 10 Pro XL
ディスプレイ6.3 インチ Actua
2,856 × 1,280
最大 120Hz リフレッシュレート
Gorilla Glass Victus 2
6.8 インチ Actua
2,992 × 1,344
最大 120Hz リフレッシュレート
Gorilla Glass Victus 2
CPUTensor G5
RAM16GB
内部ストレージ256GB / 512GB
外部ストレージなし
リアカメラ50MP メイン (f/1.68, 1/1.3″, OIS/EIS)
48MP 超広角 (f/1.7, 1/2.55″)
48MP 望遠 (f/2.8, 1/2.55″, 光学 5 倍, OIS/EIS)
* 超解像ズーム Pro 最大 100 倍
フロントカメラ42MP
ポートUSB-C
バッテリー4,870mAh
29W 有線充電
15W ワイヤレス充電 (Qi2)
Pixel Snap Wireless Charging
5,200mAh
29W 有線充電
25W ワイヤレス充電 (Qi2)
Pixel Snap Wireless Charging
ネットワーク5G / 4G-LTE
Wi-Fi 7
Bluetooth 6.0
NFC
UWB
Thread
Felica (おサイフケータイ)
デュアル SIM (nano & eSIM または eSIM ×2)
その他指紋認証
顔認証
IP68 防塵・防水
7 年間の OS、セキュリティ等アップデート
サイズ152.8 × 72 × 8.6mm162.8 × 76.6 × 8.5mm
重さ207g232g
カラーMoonstone, Jade, Porcelain, Obsidian
価格256GB: 174,900 円
512GB: 194,900 円
256GB: 192,900 円
512GB: 212,900 円

Pixel 10 Pro Fold の主な特長

新しい折りたたみ式スマートフォン Pixel 10 Pro Fold は、6.4 インチ 2,364 × 1,080 解像度のカバーディスプレイ、8 インチの 2,152×2,076 解像度のメインディスプレイを搭載し、それぞれ最大 120Hz リフレッシュレートと最大輝度 3,000nits を備えています。

フロントカメラはカバーもメインも 10MP を搭載し、リアカメラは 48MP メインカメラ、10.5MP 超広角カメラ、10.8MP 最大 5 倍光学望遠カメラを搭載しています。

16GB RAM と、ストレージは 256GB、512GB、1TB の 3 つのオプションから選ぶことができます。

なお、バッテリー容量は 5,015mAh と前世代 Pixel 9 Pro Fold から大幅に増量されています。さらに Qi2 ワイヤレス充電を備えていますが、有線充電は 23W と他のモデルに比べてわずかに遅いことがネックです。

今回の Pixel 10 Pro Fold で大きくアップグレードされた点は、IP68 防塵・防水に対応したことで、これは折りたたみ式スマートフォンとしては初めてとなります。

一方、ライバルの Samsung Galaxy Z Fold7 が超薄型・軽量で人気となっていますが、Pixel 10 Pro Fold は前世代から変わらないデザインで、重さもほぼ変わっていない点が非常に残念です。

日本における構成と価格は次のとおりです。

  • 256GB ストレージ: 267,500 円
  • 512GB ストレージ: 287,500 円

Pixel 10 Pro Fold のスペック

Pixel 10 Pro Fold
OSAndroid 16
カバーディスプレイ6.4 インチ OLED
2,364 × 1,080
60-120Hz
最大輝度 3,000 nits
メインディスプレイ8 インチ OLED
2,152 × 2,076
1-120Hz
最大輝度 3,000 nits
CPUTensor G5
RAM16GB LPDDR5X
内部ストレージ256GB / 512GB
外部ストレージ
リアカメラ48MP メインカメラ (f/1.7)
10.5MP 超広角カメラ (f/2.2, 127°)
10.8MP 望遠カメラ(f/3.1, 光学 5 倍)
* デジタルズーム最大 20 倍
フロントカメラカバー: 10MP (f/2.2)
メイン: 10MP (f/2,2)
ポートUSB-C
バッテリー5,015mAh
23W 有線充電
15W ワイヤレス充電 (Qi2)
ネットワーク5G / 4G-LTE
Wi-Fi 7
Bluetooth 6.0
NFC
UWB
Thread
その他側面指紋センサ
顔認証
IP68 防塵・防水
7 年間の OS / セキュリティアップデート
サイズ閉じた状態: 155.2 × 76.3 × 10.8 mm
開いた状態: 155.2 × 150.4 × 5.2 mm
重さ258g
カラーMoonstone, Jade

どのモデルを選ぶべきか?

現在、筆者は Pixel 9 Pro と Pixel 9 Pro Fold を使っていますが、もし、これらの機種でも十分満足しているのであれば、大きな変更のない Pixel 10 シリーズに買い替える必要はほぼないと思います。

一方で、現在 Pixel 8 シリーズ以前や Pixel  A シリーズ、あるいはその他の Android スマートフォンを使っているのであれば、Pixel 10 シリーズを検討する価値はあります。

しかし、新しい TSMC 製の Tensor G5 がどう転ぶかわからない(今回が第 1 作目となり、一般的に当たり外れが大きい)ため、リスクを避けたいユーザーは発売直後の購入を見送るほうが無難かもしれません。

ただし、今回の Pixel 10 シリーズには Android としては 2 例目となる Qi2 とマグネットの両方を搭載しているため、これらの機能に魅力を感じるユーザーにとっては、Tensor G5 のリスクを考慮しても、現時点でもっとも有力な選択肢になります。

その上でどのモデルを選ぶべきか、判断のポイントは「カメラ」、「画面サイズ」、「使い方」の 3 つに集約されます。

バランスの取れた一台を求めるなら「Pixel 10」

標準モデルでありながら、光学 5 倍の望遠カメラを搭載したことで、写真撮影の自由度が上がりました。Pro モデルほどの高性能かつ高価なモデルは不要でも、バランスの良いスマートフォンを求める方に最適な一台です。初めて Pixel を使う方にもおすすめできるモデルです。

コンパクトさと最高のカメラを両立したいなら「Pixel 10 Pro」

Pixel 10 Pro XL と同等のパワフルなカメラシステムを、よりコンパクトな 6.3 インチのボディに搭載しています。手の収まりやすさを重視しつつ、カメラ性能には一切妥協したくないという方にぴったりの選択肢です。

最高の体験を求めるパワーユーザーなら「Pixel 10 Pro XL」

6.8 インチの大画面とシリーズ史上最大となる 5,200mAh のバッテリーは、長時間の利用や動画視聴、ゲームなどにも便利です。性能を妥協したくないヘビーユーザーにおすすめのフラッグシップモデルです。

大画面と生産性を求めるなら「Pixel 10 Pro Fold」

折りたたみ式スマートフォンとして初めて IP68 の防塵・防水に対応し、実用性が大きく向上しました。折りたたんでも一般的なスマートフォンと近い 6.4 インチ、開けば 8 インチの大画面で快適なマルチタスクが可能になります。価格は高価ですが、常に最先端の技術に触れていたい方や、スマートフォンの生産性を最大限に高めたいビジネスユーザーにとっては検討する価値があります。

ただし、いずれも Tensor G5 や Qi2 含む充電周りの変更以外に大きな変化はないと言えるため、やはり Qi2 とマグネット対応がどこまで刺さるかだと思います。

まとめ

Google Pixel 10 シリーズや Tensor G5 チップに関しては、これまでに多数のリーク情報が飛び交いましたが、ついに正式発表となりました。日本でも海外から遅れずに予約を開始、発売も予想どおりとなった点は朗報です。

全体的にマイナーアップグレードという印象はありますが、Qi2 ワイヤレス充電とマグネット内蔵を望んでいたユーザーには価値のあるモデルだと思いますので、予算が許すのであれば Pixel 10 シリーズの購入を検討してみてはいかがでしょうか。

ちなみに筆者の場合、マグネット欲しさに Pixel 9 Pro を Pixel 10 Pro へと買い替えますが、Pixel 9 Pro Fold の買い替えは一旦見送ることにしました。

Google は Pixel 10 シリーズ以外に Pixel Watch 4 と Pixel Buds 2a も発表しています。

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著者情報

Masahide Omuraのアバター Masahide Omura Technical Writer

HelenTech の運営をしている 尾村 真英 です。これまでに 50台以上の Chromebook をレビュー しており、主に小規模事業者を対象に Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行っています。
現在は、Chrome Enterprise 公式ユーザーコミュニティのモデレーターとしても活動中で、Professional ChromeOS Administrator 資格を保有しています。

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