Google は2025年6月30日、Google Classroom に統合されている AI 機能 Gemini が、Google Workspace for Education の全ての基本エディションで追加費用なしで利用可能になったことを発表しました。
このアップデートにより、18 歳以上の教員は 30 種類以上の AI 搭載ツールを活用し、授業準備や教材作成を大幅に効率化できるようになります。
これまでの有料アドオンが不要に
従来、Classroom で Gemini を利用するには「Gemini Education」または「Gemini Education Premium」アドオンの契約が必要でした。
今回の変更により、Education Fundamentals、Education Standard、Education Plus を利用する教育機関でも、18歳以上のユーザーであれば標準機能として Gemini が利用できるようになります。
授業準備を効率化する具体的な新機能
今回のアップデートで、教員は以下のようなタスクを Gemini に支援してもらうことが可能になります。
リソースの新規作成をサポート
学習目標に基づき、様々な教材やリソースの初稿を素早く作成できます。
- 評価ルーブリックの作成
- プロジェクトアイデアのブレインストーミング
- テキストの翻訳
- 選択課題(チョイスボード)の構築
- 説明的な文章やストーリーの作成
- 生徒が陥りがちなよくある誤解への対処法の考案
生成コンテンツの編集とクラスへの活用
単にコンテンツを生成するだけでなく、その後の活用もスムーズに行えます。
- チャット形式での対話: 生成された内容に対し、チャットで指示を出すことで、修正、変換、情報の補足などを柔軟に行えます。
- 課題への直接割り当て: レビュー・編集したコンテンツは、「クラスに追加」ボタン一つで、選択したクラスの課題として直接割り当てることができます。
Gemini アプリとの連携でアイデア出しを加速
教育向けのスタータープロンプトが用意されており、より複雑なタスクにも対応します。
- 実社会に基づいた例のブレインストーミング
- アクティビティのゲーミフィケーション
- 個々の生徒に合わせた指導戦略(分化戦略)の生成
- 模範例と不適切な例のドラフト作成
- 知識の深化(DOK)を促す質問の作成
利用上の注意点と管理者向け設定
この機能の利用にあたっては、いくつか重要な点があります。
- 利用対象: この機能は 18歳以上の教育ユーザーに限定されています。
- 言語: 現時点では、Gemini in Classroom は英語のみで利用可能です。
- 管理者設定: 管理者は、管理コンソールから Gemini in Classroom へのアクセスを制御する新しい設定を利用できます。組織の年齢ベースのアクセス設定で18歳以上と指定されたユーザーに対して、機能の ON / OFF を切り替えることが可能です。
- 利用者への推奨事項: Google は、AI が生成した内容は間違いを含む可能性があるため、必ず教員がレビューと編集を行い、自身の状況や校内ポリシーに合わせてから生徒に提示するよう呼びかけています。
まとめ
今回のアップデートは、全ての教育機関で追加費用なく高度な AI ツールを利用できる機会を提供するものとなります。この機能は2025年6月30日より最大15日間かけて段階的に展開される予定です。
より詳しい内容については、Google Workspace Updates をご確認ください。