この記事では、2025 年 6 月 21 日から 6 月 27 日までの間にあった、Chromebook / ChromeOS および関連サービスの主な出来事をまとめる「週間まとめ」です。
今週は待望の MediaTek Kompanio Ultra 搭載 Chromebook Plus の発表と、それに伴う Chromebook Plus 向けの新しい AI 機能の発表、国内向けには Acer が新しい Chromebook Plus の販売を開始するといったニュースがありました。
MediaTek Kompanio Ultra 910 を搭載した Lenovo Chromebook Plus 14 が正式発表
これまで「Navi」というコードネームで呼ばれていた、MediaTek のハイスペックチップセット Kompanio Ultra 910 を搭載した「Lenovo Chromebook Plus 14 (14”, 10)」が正式に発表されました。
予想どおり、アスペクト比 16:10 を採用した 14 インチ 1,920×1,200 ディスプレイを搭載し、最大 17 時間という長時間バッテリー、重さは約 1.17kg からという高性能かつ軽量な Chromebook Plus となりました。

詳しいスペックや構成については発表時の記事でまとめていますが、発表後に Lenovo 公式の製品情報から日本でもリリースされることがほぼ確定となりました。海外では 6 月 29 日から Lenovo 公式と Bestbuy で販売開始となります。
ちなみに、筆者は BigAppleBuddy 経由で予約購入したので、早ければ7月前半には到着して、ファーストインプレッションを共有する予定です。
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Chromebook Plus 向けの新しい AI 機能が発表
Lenovo Chromebook Plus 14 の発表と合わせて、Kompanio Ultra 910 の 50 TOPS という AI 処理能力を活かすための新しい AI 機能が複数発表されました。
まず、現状では Lenovo Chromebook Plus 14 に限定される専用のソフトウェアとして、次の 2 つの機能が導入されます。
- スマート グルーピング (Smart grouping): 開いている大量のタブとドキュメントを、AI が現在のタスクに基づいて自動的に論理的なグループへと整理します。 これにより、複数のプロジェクトを切り替える際の管理が非常に簡単になります
- ギャラリーアプリの AI 画像編集: デバイスに保存されている写真ライブラリ内で、直接 AI を活用した高度な画像編集が可能です。 ワンクリックで画像の背景を削除したり、写真の一部を切り抜いてステッカーを作成したりといった作業が簡単に行えます
これら 2 つの機能は、「専用」と表現されていますが、OS 固有の機能とアプリなので、おそらく将来的に Kompanio Ultra のような AI 処理能力の高いチップを搭載したデバイスがリリースされた際に、広く利用可能になると思われます。
一方で、すべての Chromebook Plus で利用できるようになった AI 機能もいくつかあります。
- かこって検索: [ランチャー] ボタンを長押しすると、Android スマートフォンでも利用できる「かこって検索」を使うことができます。以前までは、ブラウザに組み込みの [レンズ] 機能を使うことで代用できましたが、OS 組み込みになったことで、Chrome ブラウザを経由しなくても検索ができるようになります
- テキストキャプチャ: 画像に含まれるテキストを自動で認識し、編集可能なテキストとして抽出できます。これもブラウザ経由の [レンズ] で代用できましたが、「かこって検索」と同じようにブラウザ以外のアプリでも利用できるようになります
- クイックインサートキーからの画像生成と挿入: 現在、一部の Chromebook に搭載されている「クイックインサートキー」を使って、画像生成と挿入ができるようになります
- 文書読解サポートの「簡略化」機能: Chromebook Plus を使って、ウェブサイトや PDF 上で右クリックすると表示される [文書読解サポート] 機能に、従来の「要約」だけでなく「簡略化」ボタンが追加されます。これをクリックすると、専門用語などが含まれる複雑な文章を、より簡単な表現に変換して見ることができます
今回追加された機能については以上となりますが、Google は改めて Chromebook Plus を購入すると Google AI Pro プランの 12 ヶ月間無料試用特典や AI 写真編集アプリ Luminar の 3 ヶ月無料特典、NotebookLM アプリのプリインストールなどを伝えました。
Core 3 N355 搭載 Acer Chromebook Plus 514 が日本でも発売
日本エイサーが、Intel Core 3 N355 を搭載した新しい 14 インチモデル「Acer Chromebook Plus 514 (CB514-6HT-N38Q)」を日本でも発売しました。すでに販売は開始しており、公式ストアや Amazon などで購入することができます。

スペックなどの詳細は発表時点の記事をご覧いただければと思いますが、タッチスクリーンに対応した 16:10 のアスペクト比を採用する 14 インチ 1,920×1,200 解像度、非光沢の IPS ディスプレイ、8GB RAM、128GB SSD、1080p Web カメラ、最長 12 時間駆動バッテリーといった仕様を備えています。
価格は 79,800 円となっており、Chromebook Plus としては比較的スタンダードかつ扱いやすい 1 台だと思うのでおすすめです。
まとめ
今週は、MediaTek Kompanio Ultra 910 を搭載した Lenovo Chromebook Plus 14 の正式発表と、その国内投入の可能性が大きな注目を集めました。これに伴い、Chromebook Plus向けの新しい AI 機能も複数発表され、Chromebook を使った AI 活用の期待が高まります。
さらに、国内ではAcer Chromebook Plus 514が発売されるなど、Chromebook Plusのラインアップが着実に拡充しており、今後も各メーカーからの新モデル投入に期待です。
- 過去の週間まとめ:
- Chromebook・Workspace 週間まとめ (6/20週): 137 更新、NotebookLM ウェブアプリ、Plus の機能紹介など
- Chromebook・Workspace 週間まとめ (6/14週): 137 安定版の展開、ASUS 教育向け新モデル発表など
- Chromebook・Workspace 週間まとめ (6/7週): ASUS 新機種発表、開発中の機種新情報など
- ChromeOS・Workspace 週間まとめ (5/30週): 136 マイナーアップデート、ASUS 新機種発表など
- ChromeOS・Workspace 週間まとめ (5/16週): 136 メジャーアップデートとユーザー補助機能紹介など