現在開発中の「デスクトップビルド」の Android 版 Chrome ブラウザにおいて、これまで拡張機能は手動でインストールする必要があったものの、最新の開発版ビルドでは PC 版と同様に、Chrome ウェブストアから直接拡張機能をインストールできるようになっていることが報告されました。
デスクトップライクの操作性を目指す開発
この機能は、Google が「Desktop build (デスクトップビルド)」として特別に開発している Android 版 Chrome に搭載されています。主な目的は、将来登場が見込まれる Android 搭載 PC において、他のデスクトップOSと遜色のないブラウザ体験を提供することです。これは、Google が長期的に進める ChromeOS と Android の OS 統合という大きな目標の一環とみられています。
大幅に改善されたインストールと持続性
Android 版 Chrome ブラウザにおける拡張機能のサポートは、昨年から継続的に報告されています。数ヶ月前の段階では、拡張機能のインストールは .crx ファイルを個別にダウンロードし、手動で読み込ませる必要がありました。
さらに、ブラウザを再起動するたびにインストールした拡張機能がすべて削除されるという問題があり、日常的な利用は困難でした。
しかし、Android Authority によると、最近のビルドではこれらの主要な問題が解決されています。
- Chromeウェブストアからの直接インストール: ユーザーはワンクリックでウェブストアから直接拡張機能をインストールできるようになりました
- 拡張機能の維持: ブラウザを再起動しても、インストールした拡張機能が維持されるようになりました
また、UI 面でも進展が見られ、ブラウザのツールバーに各拡張機能のアイコンが表示され、Dark Reader のような一部の拡張機能はツールバーから直接操作できることが確認されています。


残された課題と今後の展望
開発は大きく進んだものの、依然として実験段階であり、いくつかの課題は残されています。
- 一部の拡張機能はまだ正常に動作しない
- 拡張機能を管理するメインのメニューボタンが機能しない
- 拡張機能のポップアップ表示で、UIのスケーリング(表示倍率)に問題が発生する
現時点では、このデスクトップビルドがスマートフォンやタブレットに正式提供されるという情報はなく、Google はあくまで Android 搭載 PC (主に将来的な Chromebook だと思われる)をターゲットにしているようです。この開発方針は、これまでのところ変更されていません。
まとめ
今回の Android 版「デスクトップビルド」の Chrome ブラウザにおける拡張機能のサポートの改善は、デスクトップ版 Chrome ブラウザとの相違点を埋める確実な一歩となりました。
とはいえ、現時点ではいつリリースされるかわからず、そもそも一般ユーザーが手軽に利用できるまでにはまだ時間が必要です。また、Android 版とはいえ、スマートフォンやタブレットを対象としていないことにも気をつけなければいけませんが、将来的な機能の拡張にも期待です。