2021 年の発表から 4 年以上、多くのユーザーが待ち望んでいた Spotify のロスレスオーディオ(HiFi)機能に、ついに具体的な動きが見られました。
Spotify アプリの内部から、ロスレス提供を示唆する複数のファイルやコードが発見され、その技術的な仕様が明らかになりつつあります。長年の沈黙を破り、今年中のリリースも現実味を帯びてきました。
リークが示すロスレス機能の技術仕様
今回の情報は、リバースエンジニアの Chris Messina 氏や Reddit のユーザーによって報告されました。PC 版の最新アップデートに含まれていたグラフィックやコードから、以下の詳細が判明しています。
最大 24-bit / 44.1kHz の FLAC 音質で提供
リークされた情報によると、Spotify のロスレスオーディオは最大で 24-bit/44.1kHz の FLAC ファイルで提供されるようです。これは、一般的なCD音質(16-bit/44.1kHz)を上回る高解像度な音源を意味します。
ただし、高音質と引き換えにデータ消費量は大幅に増加し、1 時間あたり最大 1 GB に達する可能性があると示されています。また、Reddit ユーザーの報告では、立体音響技術である Dolby Atmos は現在のところ含まれていないようです。
有線接続と対応ヘッドホンを推奨
高音質なロスレスオーディオを体験するためには、「互換性のあるヘッドホン」と「有線接続」が必要になることが示唆されています。現在の多くの Bluetooth イヤホン・ヘッドホンは、技術的に完全なロスレス品質の伝送が難しいため、有線接続が推奨されることは不思議ではありません。

提供形態と価格について
この新しいロスレス機能は、既存のプレミアムプランにアドオンとして提供される可能性が高いと見られています。
以前お伝えしたとおり、この機能を含む新しいプラン(当時は「Music Pro」という名称で報じられました)が計画されており、月額 5.99 ドル の追加料金が必要になる可能性があるようです。
長年の期待と競合の状況
Spotify が最初に HiFi への対応を発表したのは 2021 年ですが、その後具体的な進展がないまま 4 年以上が経過しています。これまでも何度かリーク情報はありましたが、今回は技術的な仕様が明らかになったため、リリースは近づいているものと思われます。
一方で、Apple Music や Amazon Music といった主要な競合は、すでに追加料金なしでロスレスオーディオを提供しています。もし Spotify が有料でこの機能を提供する場合、ユーザーがその価格差に見合う価値を感じられるかどうかが大きなポイントになります。
まとめ
今回のリークは、長年待たされていた Spotify のロスレスオーディオ機能の実現に向けて、具体的な仕様も示されたことで、大きな期待の持てるものとなりました。
しかし、これまでの経緯を考えると、Spotify からの正式な発表があるまでは、過度に期待しないほうが良いかもしれません。また、この機能が提供されるとしても、Spotify が有料プランを提供しているすべての国で提供するのか、オーディオブックのように一部の国に限定されるのかはまだわかりません。