7 月 1 日に発表が予告されている Nothingの次期スマートフォン「Nothing Phone(3)」について、プロセッサに関する新たなリーク情報が登場しました。
この情報は著名なリーカー Yogesh Brar 氏によるもので、Nothing のフラッグシップモデル「Phone (3)」には Qualcommの「Snapdragon 8s Gen 4」が搭載される可能性があるとのことです。
この情報が事実であれば、Nothing Phone (3) は完全なハイエンドモデルではなく、性能と価格のバランスを取った準フラッグシップモデルとなるかもしれません。
Snapdragon 8s Gen 4 とは?
Nothine Phone (3) で採用が予想される Qualcomm の Snapdragon 8s Gen 4 は、今年 4 月初めに発表され、Snapdragon 8 Elite と過去の Snapdragon 8 シリーズの中間に位置づけられるプレミアムチップセットです。
昨年発表されたフラッグシップ・ハイエンドの Snapdragon 8 Elite とは異なり、カスタム設計の Oryon コアが採用されていないことから、既存モデルの後継として Snapdragon 8s Gen 4 と名付けられています。
Qualcomm によれば、Snapdragon 8s Gen 4 は、前世代 8s Gen 3 に比べて、CPU パフォーマンスが 31%、GPU パフォーマンスが 49%、AI パフォーマンスは 44%、電力効率は 39%と、それぞれ大きくパフォーマンスが向上しています。コアの仕様と構成は次のとおりです。
- 3.20GHz Corex-A4 コア ×1
- 3.00GHz Cortex-A720 コア ×3
- 2.80GHz Cortex-A720 コア ×2
- 2.02GHz Cortex-A720 コア ×2
GPU は Adreno 825 を搭載していますが、Snapdragon 8 Elite の Adreno 830 ほど強力ではありません。
また、Snapdragon 8 Elite などとは異なり、8K 動画撮影、4K/120pfs スローモーション撮影、ミリ波 (mmWave) 5G といった機能が省略されています。これらの機能を省略することで、パフォーマンスを犠牲にせずコストを抑えています。
なお、このチップは Bluetooth 6.0、Wi-Fi 7、XPAN などの接続性を備えており、このうち XPAN は Bluetooth ではなく Wi-Fi 経由で対応するイヤホンやヘッドホンを使用できるようにする機能です。そのため、同時に発表が予定されている Nothing Headphone 1 も XPAN に対応していることが期待されます。

ちなみに Snapdragon 8s Gen 4 は、Xiaomi Civi5 Pro (Redmi Turbo 4 Pro) が搭載しています。
まとめ
今回のリーク情報から、Nothing Phone (3) は、一世代前のハイエンドモデルに匹敵する、あるいは部分的にはそれを超える高い性能を持ちつつも、最先端の機能の一部を省略することで価格を抑えた「準フラッグシップ」としての登場が有力視されます。なお、これまでのリークでは Phone (3) の価格は 799 ドルになると言われています。
Snapdragon 8 Elite を搭載するハイエンドモデルではないことは残念かもしれませんが、Nothing らしいユニークなデザインと、実用上十分なパフォーマンスの両立に期待したいところです。最終的な仕様や価格については、発表が近づくにつれて明らかになると思われます。