MediaTek の次期フラッグシップチップセットとみられる Dimensity 9500 が、初めて Geekbench のベンチマークリストに登場しました。
この情報は信頼のあるリーカー Digital Chat Station 氏によって Geekbench の OpenCL スコアから発見されたもので、新しいチップセットの構成が明らかになっています。MT6993 という型番を示唆した内容で登録された今回の情報によると、これまでの噂どおり Dimensity 9500 は CPU アーキテクチャを刷新し、大幅な性能向上を果たす可能性があります。
Dimensity 9500 の CPU 構成
Geekbench のシステム情報によれば、Dimensity 9500 の CPU は以下の構成となっています。
- 超高性能コア (Travis): 3.23GHz × 1
- 高性能コア (Alto): 3.03GHz × 3
- 高効率コア (Gelas): 2.23GHz × 4

これまでの情報や Digital Chat Station 氏によると、Dimensity 9500 は新しい X930 ウルトラコアアーキテクチャをベースにした、初のフルコア CPU レイアウトを採用するとのことです。超高性能コアであるTravisと高性能コア Alto は Arm の新しい Cortex-X9 アーキテクチャ(SMEサポート)を、高効率コア Gelas は次世代の A7 コアファミリーをベースにしていると伝えられています。
これは、現行の Dimensity 9400 で採用されている Cortex-X4 からの大きな移行を意味します。製造プロセスには TSMC の N3P 3nm プロセスが採用されており、高い処理性能と電力効率の両立が期待されます。
GPU とその他の仕様
また、GPU には、新しい Immortalis-Drage アーキテクチャを採用した Mali-G1 Ultra MC12 が搭載され、レイトレーシング性能と効率が向上するとされています。今回確認された Geekbench のGPUスコアは 15,717 ですが、GPU クロックが 1MHz に制限された状態でのテストとみられ、最終的なパフォーマンスではないことに注意してください。

一部のレポートでは、この新しいチップは AnTuTu ベンチマークで 400 万を超える性能を持つと言われており、これが事実であれば、現在のハイエンドスマートフォンを大幅に上回るスコアとなります。
その他の仕様として、最大で 10,667Mbps の 4x LPDDR5x RAM と、4 レーンインターフェースを持つ UFS 4.1 ストレージをサポート。また、16MB の L3 キャッシュと 10MB のシステムレベルキャッシュを備え、マルチタスク性能とデータ処理能力の向上を図っています。
まとめ
今回明らかになった Dimensity 9500 の仕様は、CPU アーキテクチャの刷新と最新の 3nm プロセスの採用により、性能と効率の両面で大きく向上する可能性を示唆しています。
現時点では、MediaTek Dimensity 9500」は、2025年9月に正式発表されると予想されており、Vivo X300 シリーズや Oppo Find X9 シリーズが最初に搭載するスマートフォンの有力候補として挙げられています。