2025 年 6 月 10 日(現地時間)、Google は Pixel Watch シリーズに対して 2025 年 6 月のソフトウェアアップデートの配信を開始しました。
このアップデートには、Pixel Watch での公共交通機関(一部の市営交通カード)の支払いの改善やスマートホームコントロールの利便性向上といった、同日発表された Android の新機能 6 選で紹介されている機能が含まれています。
アップデートは本日より、対象となるすべての Pixel Watch デバイスに段階的に展開されます。
2025 年 6 月のアップデートの概要
今回配信が開始されたアップデートのソフトウェアバージョンは以下の通りです。
- グローバル (Pixel Watch 1, 2, 3): BW1A.250605.004
ただし、日本とシンガポールの携帯通信(セルラー)機能付きモデルについては、数週間以内に別途アップデートが提供される予定です。ユーザーは、自身のデバイスでアップデートが利用可能になると、ウォッチ上で通知を受け取ることができます。
なお、Wi-Fi 版は日本でもすでにアップデートが展開されており、筆者の Pixel Watch 3 でも確認しています。
また、本アップデートには最新のセキュリティ修正も含まれています。このアップデートで 2025 年 6 月 5 日付けの Android セキュリティパッチが導入されます。詳細は公式の Pixel Watch セキュリティ情報を参照してください。
主な新機能
今回のアップデートで追加される主な機能は以下の2つです。
Wear OS ウォッチでの公共交通機関の支払いの改善
これまで、Pixel Watch で Google ウォレットを使って公共交通機関で支払いを行う際は、事前にアプリを起動する必要がありましたが、今後は Google ウォレットアプリが閉じている状態でも、ウォッチを決済端末にタップするだけで支払いが完了するようになります。
この機能の対応状況は、使用するカードの種類によって異なります。
- 市営交通カード: ワシントン D.C.、シアトル、トロントの交通システムで自動的に有効になります。
- クレジットカード/デビットカード: ウォッチの Google ウォレット設定から、この機能を有効にする必要があります。
なお、この機能を利用する際は、ウォッチのロックが解除されている必要があります。
日本で多くのユーザーが利用している Suica 等の交通系 IC カードは、もともとアプリ起動や画面タップ等は必要ありません。そのため、この新機能は、一部の交通機関が採用し始めている「クレジットカードのタッチ決済で乗車ができる改札」などで影響します。
ウォッチ固有のお気に入りホームコントロール
スマートホームコントロール機能も改善され、デバイスごとにお気に入りのスマートホームデバイスを設定できるようになりました。
これにより、例えばスマートフォンではリビングの照明を操作するコントロールを表示し、Pixel Watch では寝室のライトやエアコンなど、特定のデバイスのみを素早く操作するといった使い分けが可能になります。

アップデート対象デバイス
今回のアップデートは、サポートされているすべての Pixel Watch デバイスが対象です。
- Pixel Watch
- Pixel Watch 2
- Pixel Watch 3
この機能は、Wear OS 5 および Wear OS 5.1 を搭載した Pixel Watch で利用できます。
まとめ
2025 年 6 月の Pixel Watch アップデートは、公共交通機関でクレジットカードのタッチ決済を利用するユーザーにとって、利便性を大きく向上させるものとなります。また、スマートホームデバイスのお気に入りをデバイスごとに設定できることも、複数のデバイスを利用中のユーザーには便利になります。
途中でもお伝えしたように、筆者の Google Pixel Watch 3 (Wi-Fi) ではすでにアップデートの展開を確認しています。セルラーモデルをお使いの方は、今後の通知をお待ちください。
なお、Google は Pixel Watch 向けのアップデートを四半期ごとに行うようになっています。次回のアップデートは 2025 年 9 月に予定されていますが、それ以前にバグや問題が発生した場合には、修正のためのアップデートが提供される可能性もあります。