これまで Google Workspace ユーザーの Gemini 機能は Gmail アプリに限定されていましたが、Google は新たに Android 版の Google ドキュメントアプリにも Gemini を展開することを発表しました。
これにより、外出先でもスマートフォンやタブレットからドキュメントの内容を素早く把握したり、要点を確認したりすることが容易になります。
Android 版 Google ドキュメントにおける Gemini の機能
Android 版の Google ドキュメントアプリでドキュメントを開くと、画面上部にある3点リーダーメニューの左側に新しく Gemini のアイコン(キラキラアイコン)が表示されるようになります。
このアイコンをタップすると、デスクトップ版のサイドパネルに相当するボトムシートが現れ、プロンプトを入力して Gemini を利用できます。Google によると、この機能を使って「モバイルでドキュメントを理解し、要約し、質問する」ことが可能になります。

機能は Gmail と同様に動作し、以下のようなアクションが提案されます。
- このドキュメントを要約
- 主要なポイントを説明
- 改善点のリストを提案
また、状況によっては、右下の編集ボタン(フローティングアクションボタン)の横に「このドキュメントを要約」という提案が表示されることもあります。
想定される利用シーン
Google は、この機能の具体的な利用例として以下の3点を挙げています。
- 通勤中に長い調査レポートの要点を把握する: AI が生成した要約を読むことで、移動時間を有効活用できます。
- 会議前に予算関連のドキュメントの詳細を確認する: 特定の詳細について Gemini に質問することで、会議に必要な答えを準備できます。
- チームのブレインストーミング直後に計画の初稿を作成する: アイデアが新鮮なうちに簡単なプロンプトを入力し、迅速にローンチプランのたたき台を作成できます。
利用できない機能と今後の展開
現時点では、Android 版 Google ドキュメントの Gemini で「文章作成サポート」や「画像生成」といった機能は利用できません。これらの機能はデスクトップ版では利用可能であり、モバイルへの今後の展開が期待されます
対象プランと展開スケジュール
Android 版 Google ドキュメントの Gemini は、以下の Google Workspace プランで利用可能になります。
- Business Standard および Plus
- Enterprise Standard および Plus
- Gemini Education または Gemini Education Premium アドオンを利用中のユーザー
この機能は Android 8 以上のスマートフォンおよびタブレットで利用でき、20 以上の言語に対応しています。
展開スケジュールは以下の通りです。
- 即時リリースドメイン: 2025 年 6 月 9 日から段階的に展開(機能が利用可能になるまで 15 日以上かかる可能性があります)
- 計画的リリースドメイン: 2025 年 7 月 2 日から展開(1 〜 3 日で機能が利用可能になります)
まとめ
今回のアップデートにより、Android ユーザーは外出先でも Google ドキュメント上のドキュメントを Gemini を使って効率的に扱えるようになります。特に長い文章の要約や、必要な情報を素早く見つけ出す機能は、モバイル環境での作業効率を大きく向上させるものと期待されます。
今後、デスクトップ版で利用できる作成支援系の機能がモバイルにも導入されるかはわかりませんが、登場に期待したいですね。