Google は Pixel Watch とペアリングしているスマートフォンから離れた際に、自動でスマートフォンをロックする新機能が開発中であることが示唆されました。
これは、Pixel Watch とペアリングしたスマートフォンのロックを解除できる既存の「ウォッチ認証」機能を補完するもので、スマートフォンの置き忘れによるセキュリティリスクを軽減することが期待されます。
既存の「ウォッチ認証」と課題
現在、Pixel Watch ユーザーは「ウォッチ認証」機能を利用できます。これは、ロックが解除された状態の Pixel Watch を身につけてスマートフォンの近くにいれば、PIN コードの入力や生体認証なしでスマートフォンのロックを解除できる便利な機能です。

しかし、この機能は一方向にしか機能しません。つまり、ユーザーが Pixel Watch を着けたままロック解除されたスマートフォンから離れても、スマートフォンは自動的にはロックされません。そのため、スクリーンのタイムアウト設定を長くしている場合、意図せずスマートフォンをロック解除された状態で置き忘れてしまうというセキュリティ上の懸念がありました。
新機能「切断時にロック」でセキュリティが向上
今回、Android Authority が Google Pixel Watch アプリの最新バージョン(3.5.0.758720535)を APK 解析したところ、この課題を解決する可能性のある新機能の記述が発見されました。
発見された文字列には、以下のような内容が含まれています。
- lock_on_disconnect_title: Lock phone when left behind(置き忘れたときに電話をロックする)
- lock_on_disconnect_summary: Phone will lock when it disconnects from your watch, like when it’s far away(スマートフォンが時計から切断されたとき、例えば遠くに離れたときにロックされます)
これらの記述から、新機能は Pixel Watch とスマートフォンの Bluetooth 接続が切れたことを検知し、自動的にスマートフォンの画面をロックするものと推測されます。これにより、ユーザーがスマートフォンをどこかに置き忘れてしまった場合でも、第三者に操作されるリスクを大幅に低減できます。
現在の開発状況
この機能はまだ開発の初期段階にあるようで、Telegram ユーザーの nailsad_eleos 氏が設定メニュー内にこの機能の項目を強制的に表示させることに成功しましたが、現時点ではまだ機能していません。

Google からの正式な発表はなく、この機能がいつユーザーに提供されるかは不明です。APK 解析で発見された機能は、必ずしも製品版に実装されるとは限らない点には注意が必要です。
しかし、スマートフォンの盗難や紛失に対するセキュリティ対策が強化される中で、この「切断時にロック」機能は多くのユーザーにとって便利な機能となる可能性があります。既存の「ウォッチ認証」と組み合わせることで、Pixel Watch とスマートフォンの連携は、よりシームレスかつ便利になることが期待できます。