YouTube が広告ブロッカーに対する新たな対策を開始し、多くのユーザーが再び動画を視聴できなくなる状況が発生しています。
この動きは、特に人気の広告ブロックツール「uBlock Origin」や Firefox ブラウザのユーザーに影響を与えており、Reddit などのコミュニティでは、この問題に関する報告や議論が活発に行われています。
新たなブロック強化とその影響
2025 年 6 月上旬、YouTube は広告ブロッカーで回避策を使用していたとみられるユーザーへの対策を強化したようです。これにより、広告ブロッカーを利用しているユーザーの画面には、「広告ブロッカーは YouTube で許可されていません」や「広告ブロッカーは YouTube の利用規約に違反します」といったメッセージが表示され、動画の再生が停止されるケースが世界的に報告されています。
この問題は、Firefox、Chrome、Brave といった主要なブラウザで確認されており、これまで有効だった広告ブロッカーが機能しなくなったとの声が Reddit などに多数投稿されています。


YouTube は 2024 年から本格的に広告ブロッカー対策を進めており、視聴者に対して「広告を視聴する」か「YouTube Premium に加入する」かの選択を求めてきました。今回の動きは、その方針を改めて徹底するものであると考えられます。
また、一部のユーザーからは、ブラウザのキャッシュや Cookie を削除したり、広告ブロッカーのフィルターリストを更新したりすることで、一時的に問題が解決したとの報告もあります。しかし、これらは根本的な解決策ではなく、数週間後には再び同様の問題が発生する可能性が指摘されています。
Vivaldi ブラウザのように、拡張機能を入れていないにもかかわらず内蔵の広告ブロッカーが検出されたという報告もあり、対策がより広範になっていることが伺えます。
YouTubeとユーザー、それぞれの立場
YouTube は、広告がクリエイターを支援し、プラットフォームを世界中の何十億人ものユーザーに無料で提供し続けるために不可欠であるとの立場を明確にしています。広告なしの体験を望むユーザーには、クリエイターに収益が分配される代替案として YouTube Premium への加入を推奨しています。
一方で、ユーザー側にも広告をブロックしたい理由があります。単に動画視聴の中断を避けたいだけでなく、データ使用量の節約や、近年増加傾向にある悪意のある広告から自身を保護したいという目的も含まれています。
まとめ
YouTube が広告ブロッカーに対する姿勢を緩める可能性は低く、今後も対策強化は継続して行われると予想されます。
ユーザーは、広告の視聴を受け入れるか、有料プランの YouTube Premium (または一部地域で提供されている安価な Premium Lite) に加入するか、あるいは、いつ対策されるか分からない広告ブロッカーを使い続けるか、という選択を迫られています。YouTube がクリエイターエコシステムを維持しようとする一方で、ユーザー体験とのバランスをどう取っていくのか、今後も注目されます。
筆者は諦めて YouTube Premium に加入しています。