Microsoft は、欧州経済領域 (EEA) の Windows ユーザー向けに、デジタル市場法 (DMA) に対応するための追加変更を発表しました。これにより、Microsoft Edge をデフォルトブラウザとして設定するよう求める表示が停止されるなど、ユーザーの選択肢が拡大されます。
DMA 対応による Microsoft の変更点
Microsoft は以前より、DMA 対応として EEA 地域において Edge のアンインストールや Windows Search から Bing 検索結果を削除できるオプションを提供していましたが、今回さらに踏み込んだ変更が明らかになりました。
Edge ブラウザと Bing 検索の変更
Microsoft によると、今回の変更によって Edge ブラウザをデフォルトブラウザとして設定するよう求める追加の表示やプロンプトに悩まされることがなくなるとしています。これは、ユーザーが意図的に Edge を開かない限り適用されます。この変更は、Edge バージョン 137.0.3296.52 (2025 年 5 月 29 日のリリース) ですでに提供が開始されています。
また、Windows Search に関しても、サードパーティ製のアプリがインストール時に自身の Web 検索結果を Windows Search に追加できるようになり、ユーザーは検索プロバイダーの優先順位を変更することも可能になります。
さらに、Microsoft Bing アプリ、ウィジェットボード、ロック画面の Web コンテンツは、デフォルトブラウザで開かれるようになります。このアップデートは 6 月初旬に展開予定です。
Microsoft Store のアンインストール
今回の変更では、Microsoft Store アプリをアンインストールするオプションも追加されます。Microsoft によると、Store アプリをスタートメニューや設定から削除した後も、「Microsoft Store からインストールおよび配布されたアプリは引き続き更新プログラムを取得」し、いつでも再インストールが可能とのことです。
デフォルトブラウザ設定の強化
Chrome や Firefox、Brave などの別のブラウザをデフォルトとして設定すると、ユーザーが拒否しない限り、そのブラウザがタスクバーにピン留めされるようになります。
さらに、これまではデフォルトブラウザを設定しても https や .html といった一部のリンクタイプやファイルタイプにしか適用されませんでしたが、今後は EEA のユーザーに対して「read」、ftp、.svg など、より多くのファイルタイプに適用されるようになります。
これらのデフォルトブラウザ関連の変更は、現在ベータチャネルの一部のユーザーに提供されており、2025 年 7 月に Windows 10 および Windows 11 で広く展開される予定です。
対象地域と提供時期
今回発表された変更は、欧州連合 (EU) 加盟国およびアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーを含む欧州経済領域 (EEA) の Windows ユーザーが対象です。
主な変更点の提供時期は以下の通りです。
- Edge のプロンプト停止: Edge バージョン 137.0.3296.52 (2025 年 5 月 29 日展開済み)
- デフォルトブラウザ関連の変更: Windows 10 および Windows 11 で 2025 年 7 月に広く展開予定 (ベータチャネルでは一部提供中)
- Bing アプリ等のデフォルトブラウザでの表示: 2025 年 6 月初旬にアップデート展開
まとめ
今回の変更は、主に欧州の DMA に対応するためのものです。現時点では、同様の変更が日本を含む他の地域で展開されるかは不明です。しかし、ユーザーとしては都度 Edge が優先されてしまったり、推奨のプロンプトが表示されるというのは厄介なので、この変更の拡大を期待したいところです。
今後、各国の規制動向や Microsoft の方針次第では、日本市場においてもユーザーの選択肢をより尊重する動きが出てくる可能性も考えられます。