Google は、スマートウォッチ向け OS の次期バージョン「Wear OS 6」において、常時表示ディスプレイ(AOD : 常に表示状態のディスプレイ)の機能を強化し、メディアコントロールへのアクセスを改善することを発表しました。これにより、ユーザーは時計の画面をアクティブにすることなく、音楽再生などを操作できるようになります。
Wear OS 6 における常時表示ディスプレイの主な変更点
現行の Wear OS では、メディアを操作する際に一度画面をオンにする必要がありましたが、Wear OS 6 ではこの手間が省略され、メディアコントロール画面が常に表示できるようになります。
Google の Android Developers サイトで明らかになった情報によると、Wear OS 6 では、ユーザーがスマートウォッチを操作していない間も、再生中の曲の情報やメディアコントロールが常時表示ディスプレイに表示され続けるようになります。

これにより、従来の Wear OS では画面をオンにする必要があった操作を、手首を傾けるなどの動作なしにすぐに実行することができます。Google はこの変更について、「デバイス間で一貫した常時表示ディスプレイ体験を提供する」ための一環であると説明しています。
9to5Google によると、この機能は Wear OS 5.1 の Pixel Watch で開発者向けオプションとして提供されていた「Force Global AOD Experience (AOD をグローバルに強制適用)」機能を正式に発展させたものと考えられます。
従来の画面では背景がぼかされて時計が表示されますが、この機能が有効になれば、前の画面が常に表示された状態になります。今回のメディアコントロールボタンは、AOD 時には細いアウトライン表示に変わるものの、曲名と共に操作可能な状態が維持されます。
メディアコントロール以外の表示も期待
Google の説明では、「以前の最上位アクティビティは、デバイスがアンビエントモードに入ったときも表示され、『再開された』状態のままになります」とあり、この改善がメディア関連のアクティビティ以外にも適用される可能性を示唆しています。
これにより、例えばワークアウトの進捗状況、タイマー、ナビゲーションの指示なども、常時表示ディスプレイで確認できるようになることが期待されます。
Wear OS 6 のその他の新機能
Wear OS 6 は、Android 16 をベースとしており、常時表示ディスプレイの改善以外にも、以下のような新機能や改善が含まれる予定です。
- Material 3 Expressive デザイン: より表現力豊かで視覚的に魅力的なインターフェース
- バッテリー寿命の改善: 最大 10% のバッテリー持続時間向上
- Live Updates: 特定のアプリ情報をリアルタイムで更新表示
- フォントの統一: 全てのタイルで同じフォントを使用し、タイルカルーセルのナビゲーションを容易に
- 健康関連の権限の細分化: 例えば、従来の BODY_SENSORS 権限が、READ_HEART_RATE、READ_OXYGEN_SATURATION、READ_SKIN_TEMPERATURE など、より具体的な権限に分割されます
まとめ
Wear OS 6 における常時表示ディスプレイの改善により、特にメディアコントロールが常にアクセス可能になる点は、ユーザーにとって利便性を大きく向上させる可能性があります。
画面を都度オンにする手間がなくなることで、よりスムーズな操作性が期待でき、メディアコントロール以外の情報も常時表示されるようになれば、活用の幅はさらに広がりそうです。
Wear OS 6 は現在デベロッパープレビュー版が提供されており、正式リリースは「今後数ヶ月以内」とされています。