Google I/O 2025 で、サードパーティ開発者向けに Home API へ Gemini を統合することに加え、Pixel デバイス向けの新しい Home Summary Widget を発表しました。これにより、開発者は AI を活用したより高度なスマートホーム機能の開発が可能になります。
Home Summary Widget
この新しいホーム画面のウィジェットは、きらめきのエフェクトが付いたホームアイコンと、更新アイコン、最終更新時刻とともに、自宅のスマートホームデバイスの使用状況や関連アクションを表示できます。Google によると、このウィジェットの目的は 「アプリを開かなくても家の状況に関する情報を提供する」 ことにあります。

この 「パーソナライズされたリアルタイムの概要」 は、ユーザーの 「使用状況と好み」 に基づいて自宅で起きていることを会話形式で表示します。例えば、以下のような情報が表示されます。
- 玄関で荷物を確認: 表示
- 2階の掃除機が作動開始: 停止
- 1階の暖房が 70度 (華氏) に設定: 調整
Pixel デバイス向けのこのウィジェットは、オンデバイス AI である Gemini Nano によって動作するようです。Google は Pixel の Home Summary Widget が現在一部のユーザーを対象にテスト中であると述べています。
Home API に Gemini を搭載
Google は、サードパーティのアプリやハードウェアが Home API を使用している状況についても最新情報を提供しました。開発者は Google Home に接続された 7 億 5000 万台以上のデバイスにアクセス可能であるとのことです。
Google は Home API に Gemini を導入し、開発者がビデオの AI 解説やカメラ履歴の検索といった機能を利用できるようにします。
オートメーション API のための Gemini の新機能としては、「提案された自動化」 があります。これは、「ユーザーが思いつかなかったかもしれない潜在的に有用な自動化を積極的に提案する」 ものです。さらに、日付や気象条件といった、より高度な自動化の開始条件 (トリガー) も追加されました。
Gemini によるカメラ機能の強化
Google は昨年秋、Google Home アプリで Gemini を活用したカメラ機能をパブリックプレビューとして導入しました。これにより、ユーザーは「子供たちが自転車をドライブウェイに置きっぱなしにしていないか?」といった自然な質問をするだけで、関連するビデオクリップを即座に取得できるようになりました。今回、これらのカメラ機能が開発者にも直接提供されることになります。
ライブストリーミング、イベント履歴へのアクセス、双方向通話機能、カメラ設定といった標準的なカメラ機能に加え、Gemini の機能も統合されます。これには、AI による説明やカメラ履歴の検索機能が含まれ、カメラ履歴の中から探しているものをすばやく特定しやすくなります。
Gemini による自動化機能の強化
Google は、ルーティン作成をこれまで以上に簡単にするために設計された、Gemini を活用した新機能をオートメーション API に導入します。
- Suggested Automations (提案されたオートメーション): Gemini がユーザー宅内のデバイスをインテリジェントに分析し、ユーザーが思いつかなかったかもしれない潜在的に有用なオートメーションを積極的に提案します。
- Help me create (作成支援): オートメーションの構築が、会話と同じくらいシンプルになります。ユーザーが自然言語で達成したいことを Gemini に伝えると、オートメーションが作成されます。
- New Automation Starters (新しいオートメーションスターター): 日付や気象条件に基づいた、より高度なトリガーを追加し、オートメーションが実生活の複雑さにより動的に対応できるようにします。
Google Home の各サービスにおける Gemini の活用
開発者が Google Home API を使用してデバイスを統合すると、それらのデバイスは Google の各サービス全体で Gemini を活用することができるようになります。
例えば、Google Home ユーザーは Gemini アプリ内で自然言語を使用してスマートホームデバイスを操作したり、問い合わせしたりすることができます。Google はまた、スマートスピーカー、スマートディスプレイ、Google TV での音声操作を Gemini が強化することをプレビューしており、より自然な対話、トピックのより深い探求、デバイス制御、さらには音声ベースのオートメーション作成も可能になります。そして、Pixel 上で Home Summary Widget を一部のユーザーとテストしており、アプリを開かずに自宅に関する情報を提供します。
まとめ
Google は、Gemini を活用した Home API の早期アクセスプログラムを、今年後半に一部のパートナーを対象に開始する予定です。最新情報を入手し、これらの最先端機能をいち早く試すには、デベロッパーニュースレターへの登録が推奨されています。
さらに、開発者のスキルを次のレベルに引き上げることを目的とした、テーマ別の 「デベロッパーチャレンジ」 も開始されます。これらのチャレンジは、開発者の創造性と技術的専門知識を披露するプラットフォームを提供します。優勝者には Google のエンジニアへのプレゼンテーションを含む賞品が贈られます。