Google は、2025 年 5 月 20 日(米国時間)に開催した Google I/O 2025 にて Gmail のスマート返信機能を大幅に強化し、ユーザーの文脈やトーンを理解して、より自然でパーソナライズされた返信文案を作成する新機能を発表しました。
この機能は、過去のメールや Google ドライブ内のファイルを活用し、まるでユーザー自身が書いたかのような、その人らしい返信を提案します。
新しいスマート返信の特長
従来のスマート返信機能は、短い定型文の提案が中心でしたが、新しいパーソナライズされたスマート返信機能は、より高度な処理を行います。
例えば、過去に送受信したメールの内容や、Google ドライブに保存されているドキュメントから、ユーザーが普段どのような言葉遣いや表現をするのか、どのようなトピックについてやり取りしているのかを学習します。これにより、例えば丁寧な言葉遣いを好むユーザーにはフォーマルな文面を、親しい間柄の相手とのやり取りが多いユーザーにはカジュアルな文面を提案するなど、状況に応じた最適な返信文案が自動で作成されます。

この機能により、メール返信にかかる時間と手間が大幅に削減されるだけでなく、AI が作成したとは思えないほど自然で、その人らしさが反映されたコミュニケーションが可能になります。
Google は、「返信があなたらしく聞こえるように、鮮明でフォーマルなものであれ、温かく会話的なものであれ、あなたの典型的なトーンに適応します」と説明しています。
新機能: 受信トレイの整理と予約ページの簡単共有
さらに、今回の発表では、AI モデル Gemini を活用した Gmail の新機能として、以下の 2 点も紹介されています。
- 受信トレイの整理: 例えば、「昨年送られてきた The Groomed Paw からの未読メールをすべて削除して」のように指示するだけで、関連するメールを特定し、ワンクリックで削除やアーカイブが可能になります
- Gmail 内での簡単なアポイントメント予約: 社外の人との日程調整も、Gmail から離れることなくスムーズに行えるようになります。Gemini が会議設定の意図を検知すると、Google カレンダーの予約ページを簡単に共有できる機能が利用可能になり、煩雑な日程調整の手間を軽減します
これらの機能は、パーソナライズされたスマート返信機能と合わせて、Gmail での作業効率を大きく向上させることが期待されます。


まとめ
今回紹介している機能のうち、パーソナライズされたスマート返信機能は、今年後半に一般利用可能になる予定です。受信トレイのクリーンアップ機能と Gmail 内での簡単なアポイントメント予約機能は、来四半期に一般提供が開始される予定です。
とくに Gmail の新しいパーソナライズされたスマート返信機能は、メール作成の手間を減らす便利な機能になると思われ、ユーザーの意図に近い返信文を手軽に作成できるようになるのは、非常に魅力的です。日々のメール業務に追われる多くのユーザーにとって、待望のアップデートとなるはずです。