YouTube は、ユーザーがより安全にプラットフォームを利用できるよう、新たなテストを開始しました。このテストでは、「性的テーマを頻繁に含む」検索クエリに対して表示される動画のサムネイルが、デフォルトでぼかされるようになります。
テストの概要
YouTube によると、この実験的な機能は、すべてのユーザーにとってより安全な検索体験を提供することを目的としています。具体的には、性的なテーマを含む可能性のある検索を行った際に、結果として表示される動画のサムネイルにぼかし処理が施されます。
ただし、動画のタイトル、チャンネル名、動画の説明については従来どおり表示されます。また、ユーザーは自身の判断で、サムネイルのぼかしを解除するオプションも提供されます。
このテストの主な目的は、YouTube のコミュニティガイドラインには準拠しているものの、一部のユーザーにとってはデリケート(不快、あるいは意図せず見たくないと感じる可能性のある)な性質を持つコンテンツを、誤って視聴してしまうことを防ぐ効果があるかどうかを検証することとしています。
このような「センシティブな可能性のあるコンテンツ」に対する表示の制限は、例えば Instagram では、数年前からデリケートな可能性のある画像や動画のサムネイルを自動的にぼかし、「センシティブな内容が含まれている可能性があります」といった警告を表示する機能が導入されています。ユーザーは警告をタップすることで、コンテンツを閲覧できます。
ユーザーにとっては検索意図とは違う不快なコンテンツが表示されてしまうリスクを抑えることが期待できます。一方、サムネイルから得られる情報が制限されるため、目的の動画を見つけにくくなる可能性はありますが、ユーザーが手動でオフにできるため、この影響は限定的かもしれません。
クリエイターは、サムネイルがぼかされる可能性を考慮し、露骨な表現を避ける、あるいはタイトルや説明文で内容をより的確に伝えるなどの対応が求められるかもしれません。
あと、現在「性的テーマを頻繁に含む」検索結果に限定されていますが、将来的にはホーム画面のおすすめ動画や、性的テーマ以外のデリケートなコンテンツ(暴力的な表現など)にも適用範囲が広がる可能性も考えられます。また、このようなコンテンツをどう定義・判断するのかは不明のため、今後の課題となりそうです。
まとめ
ただし、現時点ではこのテストは一部のユーザーを対象に実施されています。YouTube はこのテストを通じてユーザーからのフィードバックを集め、機能の有効性や改善点を探っていくものと思われます。今後、仕様変更などがあると思われ、最終的に導入されるかはわかりませんが、ユーザーにとってはメリットのある変更なので、導入に期待です。