Google は 2025 年 7 月 9 日(現地時間)、AI アシスタントの Gemini が、Wear OS を搭載した一部のスマートウォッチで順次利用可能になることを発表しました。このアップデートにより、ユーザーはスマートフォンを取り出すことなく、手首のデバイスから直接、より自然かつ効率的にタスク管理や情報へのアクセスを行えるようになります。
国内では Google Pixel Watch シリーズや一部の Samsung Galaxy Watch シリーズのスマートウォッチが対象となります。スマートフォンの Gemini と同じ高度な AI モデルを活用することで、一貫性のある操作と作業を処理することができます。
すでに Wear OS でも Gemini が導入されることは予告されており、これまでに何度かリークや情報が出ていた Wear OS の Gemini ですが、ようやく正式に発表となりました。
Wear OS での Gemini の起動方法
Wear OS で Gemini を利用するには、以下のいずれかの方法で簡単に起動できます。
- 「OK Google」と話しかける
- スマートウォッチのサイドボタンを長押しする
- スマートウォッチのアプリ画面から Gemini のアイコンをタップする
基本的にはスマートフォンと変わりませんが、これらの方法により、必要なときに素早く Gemini を呼び出し、音声で操作を開始できます。
自然な会話で回答を得る
Wear OS 上の Gemini は、自然な話し言葉での質問を理解し、簡潔で的確な回答を返します。ユーザーは話しかけて手首に一目を落とすだけで、必要な情報をすぐに得ることが可能です。
以下は Google による具体的な利用シーンの一例です。
- 外出先での情報確認: 散歩中に「今日は傘が必要?」と尋ねるだけで、天候を素早く確認し、突然の雨に備えることができます。
- 移動中の目的地確認: 約束に遅れそうな場面で、「エミリーがメールで教えてくれたカフェはどこ?」と尋ねれば、立ち止まることなく目的地情報を把握できます。
アプリ連携でタスクを管理
Gemini は Google の各種サービスと連携し、これまでスマートフォンで複数の手順を要した複雑なタスクもスマートウォッチから簡単に実行できます。
以下は Google による具体的な利用シーンの一例です。
- ランニング中: 「1 キロ 6 分ペースのランニング用にプレイリストを作って」とリクエストするだけで、ワークアウトに合わせたカスタムプレイリストが作成されます。
- 会議の準備: 会議の直前に「エミリーからの最新のメールを要約して」と依頼すれば、重要な内容を素早く確認できます。
- スケジュール管理: 「来週の日曜日午後 1 時に、息子の野球の試合をカレンダーに追加して」と話すだけで、Google カレンダーに予定が追加されます。
- 外出時のナビゲーション: 「今日予約している歯医者の住所は?そこまで案内して」と指示するだけで、住所の確認からナビゲーションの開始までをシームレスに行えます。
これらの連携機能を利用するには、ペアリングされたスマートフォンの Gemini アプリで設定を有効にし、Gmail や Google カレンダーなどへのアクセス権限を許可する必要があります。
リマインダー機能
Gemini には、日常の些細な情報を記憶させたり、タイムリーなリマインダーを設定したりする機能もあります。
- 情報の記憶: ジムで「今日は 43 番のロッカーを使っていることを覚えておいて」と伝えたり、駐車場で「4 階の 27 番に駐車したことを覚えておいて」と依頼したりすることで、忘れがちな情報を記録できます。
- リマインダー設定: 「仕事が終わったら食料品の買い物に行くことをリマインドして」と頼んでおけば、適切なタイミングで通知を受け取ることができます。
いずれの機能もすでにスマートフォンで利用できますが、Wear OS スマートウォッチ上から実行できるようになることで、すぐにスマートフォンを取り出せない状況でも簡単に Gemini を使って行うことができるようになりました。
提供時期と対象デバイス
Wear OS 向けの Gemini は、今後数週間以内に Wear OS 4 以降を搭載した対応スマートウォッチへ段階的に展開される予定です。また、今後 Wear OS 6 にアップグレードされるスマートウォッチでは、各ブランド独自のアプリサポートも継続されるため、ユーザーは普段利用しているアプリを引き続き使用できます。
出典: Google