ここ数週間で Google Pixel に関する様々な情報がリークされ、2026年までに Google が Pixel スマートフォンとタブレットでどのような計画を考えているかがある程度わかるようになりました。
2025年以降に Google Pixel デバイスでどのようなラインナップを考えており、どのような機能を提供する予定でいるのか、様々なリークを提供してきたた Android Authority にならい簡単にまとめます。
Google Pixel 10
最初にスマートフォン Google Pixel 10 シリーズについて。このシリーズでは、動画生成に関する機能が初めて導入される予定で、Google の動画編集機能に生成 AI が追加されると言われています。詳細は不明ですが、Google フォトで導入されているような「編集マジック」の動画版になると予想されます。
また、写真編集機能には「Speak-to-Tweak」というモードが含まれており、写真を編集したい部分を声に出すだけで編集できる可能性があります。また、「Sketch-to-Image」機能も Gemini の機能として登場する可能性があり、落書きからちゃんとした画像を生成 AI によって作成できるようになります。
これらの新機能は Google Tensor G5 チップセットによって実現されます。このチップは Samsung から TSMC に切り替える最初のチップになり、TSMC の 3nm (N3E) プロセスによって製造されます。これによりパフォーマンスの向上とバッテリー駆動時間の改善が期待されています。
ただ、Tensor G5 は大幅なアップグレードと言うわけではなく、Cortex-X4 コアと2つの A520 コア、5つの新しい Cortex-A725 コアを導入すると言われています。このチップを搭載したデバイスは Geekbench にも登場していました。一方、GPU は Imagination Technologies DXT-48-1536 に切り替わると言われており、パフォーマンスの若干の向上と仮想化やレイトレーシングのサポートが追加される予定です。
なお、各デバイスのコードネームは次のようになります。
- Pixel 10 : Frankel
- Pixel 10 Pro : Blazer
- Pixel 10 Pro XL : Mustang
- Pixel 10 Pro Fold : Rango
Google Pixel 11
Pixel 11 に関しては2026年とさらに先になるため、どのような変更が行われるかはわかりません。しかし、これまでのリークではチップセットは Tensor G6 に置き換わりますが、G4 から G5 への変更と同じようにマイナーアップデートに近いものになると言われています。
以前の噂では、Google は Tensor G6 のコストを最優先に考えており、もともと Tensor G4 として開発されキャンセルされた「Redondo」プロジェクトで予定されていた GPU を採用する可能性があるとしています。これはレイトレーシング機能などがなくなりますが、サイズが小さくなることで価格を抑えられるとしています。そのため、GPU パフォーマンスの大幅な向上は見込めません。
一方で、チップセット自体は TSMC の次世代 N3P プロセスノードに移行すると言われており、Arm Cortex-X930 コアと6つの A730コアを採用すると言われています。これにより電力効率と CPU パフォーマンスは向上すると思われます。
機能面では、Tensor G6 には機械学習のための新しい TPU と、低電力タスクを効率的に処理する新しい nanoTPU が搭載されます。nanoTPU は呼吸や咳、転倒検知、睡眠モニタリングなどバックグラウンドで動作する健康関連の機能をサポートするようです。
Pixel 11 ではカメラ関連の機能も強化され、4K/30fps で映画のようなボケを作れる Cinematic Blur や明るさを微調整できる機能、超低照度動画などが提供される予定です。また、動画ブースト機能がクラウドではなくオンデバイスで実行されるようになります。さらに100倍ズームを備えた次世代望遠機能も搭載される可能性があります。
いずれにしても Pixel 11 では、AI を活用した健康測定と写真・動画撮影に関する機能が中心になるようですが、かなり先の話なのでこれらも変更される可能性があります。
Pixel Tablet 3
最後に次世代 Pixel Tablet についてですが、Google は Pixel Tablet 2 と考えられていたデバイス(おそらく2025年にリリース予定だった)は、すでにキャンセルされたと言われています。しかし、そのさきの第3世代(Pixel Tablet 3 と考えられている)のデバイスはまだ開発中とされています。
最近のリークでは、将来的な Pixel Tablet には2つ目の USB-C ポートが追加されると言われています。このポートは USB 3.2 と DisplayPort 出力をサポートしており、それぞれ2台の外部ディスプレイをデイジーチェーンで接続できます。つまり、最大4台の外付けディスプレイに接続が可能です。
また、チップセットには Pixel 11 と同じ Google Tensor G6 プロセッサが搭載されると言われていますが、全く同じチップではなく若干の違いがあり、放熱性は劣るものの製造コストが安価になるとされています。なお、Google はこのチップを Pixel 11a にも採用することを検討しています。
さらに Google は、Pixel Tablet でも「Pro」バージョンの開発を進めている可能性があり、Apple iPad Pro と直接競合するタブレットがリリースされるかもしれません。これについては、Android と ChromeOS の統合計画が影響していると考えられています。
今後の Pixel と Tensor に期待はしている
結局のところ、以前 Google が述べているように Tensor チップセットは速度ではなく AI を含めた全体的なパフォーマンスとバランスを重視する方針は変わらず、ハイパフォーマンスモデルを期待しているユーザーにとって、少なくとも2026年までは物足りなさがあると思います。Google は発熱やバッテリー駆動時間、コストを主な課題として考えているため、速度よりも先に課題を改善したいと考えているようです。
普段使いのデバイスとして Pixel はそこまで不満のある性能ではないですが、バッテリー駆動時間が延びるほど使いやすくなりますし、発熱を含めて負荷も減り、コストも下がるのであれば歓迎です。
それよりも Chromebook ユーザーとして、Android と ChromeOS の統合計画がどう転ぶかが問題です。現状、ChromeOS も Android も初期から改善はしていますが一長一短であり、とくに生産性という観点からは Android は ChromeOS に及びません。統合計画は数年間かけたプロジェクトとして進行しており、これまでのリークなどから想像すると2027年以降にそれが実行される可能性がありそうです。
それまでに本当に使えるようになっているのか、ChromeOS を導入している企業や学校、ユーザーへの告知や対応はどうするのかが気になるところですね。
いずれにしても、現時点ではまだ開発中の情報やリークが中心となっているため、今後変更されることは十分に考えられます。Google Pixel 10、Pixel 11、次世代 Pixel Tablet がどのようになっていくか楽しみです。