Google の Pixel スマートフォンに搭載されている Tensor チップセットは、Pixel 6 シリーズで導入されて以降、年々パフォーマンスと機能の改善が行われています。しかし、競合製品に比べてパフォーマンスが劣るだけでなく発熱しやすい傾向が見られますが、Google から流出した資料によれば、Tensor の発熱問題が Pixel の返品に至る最大の原因であることが明らかになりました。
これは Android Authority が入手した Google の内部文書から明らかになったもので、Tensor チップセットの発熱の問題がユーザーの満足度だけでなく返品の理由としても大きな問題になっていることがわかりました。一方で、Google は今後の Pixel デバイスで熱と効率の問題解決に重視していることや Tensor G6 チップセットに関する将来の計画も一部が明らかにされています。
リークされた資料では、Tensor G6 を示す「Malibu」で予定されている改善点を示しながら、「発熱」が Pixel スマートフォンを返品する第1の理由であることが説明されています。また、バッテリー駆動時間についても優先事項の1つであるとも考えているようです。
この資料では、Tensor G5 および Tensor G6 の技術的な仕様のほか、TSMC プロセスへの移行などにより、熱やバッテリー駆動時間の改善につながるいくつかの改善点について触れられています。その中で、Google は Tensor G6 でチップの価格を下げることや低温で効率的に動作させること、GPU からレイトレーシング機能をなくして CPU をわずかにアップグレードすることなどが示されています。
ユーザーとして、発熱とバッテリーについては Tensor G3 から特に問題になっているので、Google が Tensor を TSMC に移行したことで改善することを期待しています。とは言え、パフォーマンス面では大きなアップグレードは期待できず、以前 Google が語ったように速度ではなく全体的なエクスペリエンスの改善が中心になるようです。