Google が ChromeOS 130 で導入予定の新機能について、Chrome Enteprise および Education リリースノートを更新したことで明らかになりました。すでに発表されている内容も含まれていますが、いままで利用できなかった一部の機能も広く展開される予定です。
ChromeOS 130 のアップデートで導入予定となる機能は次のとおりです。
クイックインサート
クイックインサートはキーボードショートカット「検索/ランチャー + F」もしくは Quick Insert キー(一部モデルのみ)を利用して、絵文字、記号、GIF、Google ドライブのリンク、計算、単位変換などを簡単に挿入できる機能です。
ChromeOS 130 では、この機能がすべての ChromeOS デバイスで利用可能になります。
なお、Quick Insert キーは現時点で Samsung Galaxy Chromebook Plus でのみ利用可能ですが、2025年には様々なデバイスで利用可能になる(新機種には搭載される)としています。
フォーカスモード
これもすでに発表されていますが、ChromeOS 130 ではフォーカスモードが正式に導入されます。ここでは集中するための時間を設定したり、サイレントモードの有効と無効の切り替え、Google Todo リストの並べ替えや新規追加などが行えます。
また、個人の Google アカウントでログインしている場合にはフォーカスサウンドや YouTube Music Premium から音楽を再生することもできます。
おかえりなさい (Welcome Recap) 機能
ChromeOS 129 でもすでに追加されていますが、新しい「おかえりなさい」機能はユーザーが作業を再開するため、デバイスの起動時に以前のセッションからアプリやタブをプレビューして復元することができます。
この他にも天気や次の予定、他のデバイスで最近開いたタブ、関連する Google ドライブの提案なども表示されます。
この機能の設定は ChromeOS の [設定] を開いて、[システム環境設定] > [起動] > [おかえりなさい] から、「毎回起動」、「都度確認」、「オフ」という3つのオプションから選択することができます。
スタジオスタイルのマイクがデフォルトで有効
ビデオ通話コントロールでこの機能を有効にすると、Chromebook の内蔵マイクの音がよりクリアに聞こえます。これには既存のノイズキャンセルと残響除去効果が含まれており、高度なバランス調整、細かなディティールの再構築、部屋の適用などによって強化されています。
ノイズキャンセルを有効にすると ChromeOS 130 からはスタジオスタイルのマイクがデフォルトで有効になります。
AI 搭載 レコーダーアプリ
ChromeOS 130 から、Google AI を搭載した新しいレコーダーアプリが導入されます。これには Pixel スマートフォンの Pixel Recorder アプリと同じように、話者を検出してラベル付けをしたり、録音されたコンテンツを文字起こしして要約することもできます。この他にも音声テキスト変換やコンテンツの要約、タイトルの提案などが含まれます。
ディスプレイとキーボードの明るさ調整設定
ChromeOS 130から、設定アプリでキーボードとディスプレイの明るさを調整することができるようになりました。環境光センサーのオン・オフを切り替えることもできます。
また、Chromebook のキーボードが RGB をサポートしている場合には、設定アプリから変更することができるようになりました。
外観エフェクト
Chromebook Plus デバイスでは、外観のエフェクトがビデオ通話のコントロールに統合されました。
ChromeOS で Help me read (文章読解サポート)
Chromebook Plus デバイスでのみ利用できる ChromeOS の Help me read は、ブラウザやギャラリーアプリで表示されているテキストの要約や質問を右クリック(コンテキスト)メニューから利用できるようになります。
ウィジェットのマルチカレンダーサポート(再び)
ChromeOS 129 で一時的に失われていた ChromeOS のシェルフからアクセスできる Google カレンダーウィジェットの マルチカレンダーのサポートが再び導入されます。
ピクチャーインピクチャーウィンドウの一時非表示
ChromeOS ユーザーはピクチャーインピクチャーのウィンドウを、再生を止めることなく一時的に非表示にすることができるようになりました。これは画面を一時的に画面外(横)に移動させることで、画面上のスペースを広げることができます。
この他の細かい変更
管理者向けを含め、いくつかの細かい変更点が含まれています。
- ドライブファイルへのアクセス強化
- スターを付けた Google ドライブのファイルにトートから直接アクセうすることができるようになりました
- トートの候補表示
- ローカルおよびドライブのファイル候補から、必要なファイルをトートにピン留めできるようになりました
- 管理対象ゲストセッションのコンテンツスキャン
- Chrome Enterprise Premiumの強力なスキャンとコンテンツおよびコンテキストベースの保護を ChromeOS 上の管理対象ゲスト セッションのローカル ファイルに拡張できるようになりました
- キオスクモードで許可される追加の URL
- キオスク アプリが複数の URL オリジンを使用する場合、IT 管理者は追加のオリジンを入力できるようになりました。指定されたすべてのオリジンには、自動的に権限が付与されます。このリストに含まれていないその他のオリジンについては、権限は拒否されます。
- アクセスしやすいプライバシーコントロール
- Chrome ブラウザのユーザーが OS レベルのプライバシー コントロールをより利用しやすくなります
- ARC++ユーザーエクスペリエンスの向上
- ChromeOS と ARC++ のユーザー エクスペリエンスを向上させるため、ARC++ の緊急でないバックグラウンド通知とエラー通知をシステム トレイに移動します。これにより、これらのメッセージが不必要にフォアグラウンドにポップアップ表示され、ユーザーの操作を妨げることがなくなります
- アクセスポイント名を制御する新しいポリシー
- セルラー機能を備えた Chromebook の場合、アクセス ポイント名 (APN) ポリシーにより、管理者はカスタム APN の使用を制限できます。一般的なネットワーク設定でAllowAPNModificationフラグを制限に設定することで、エンド ユーザーがカスタム APN を追加または使用することを防ぐことができます。
- Microsoft SCEP SID の更新
- Microsoft NPS for RADIUS を使用した SCEP 展開のみ。Chromebookネットワーク接続に Microsoft NPS for Radius と組み合わせて SCEP 証明書を使用していない場合は、残りの手順を無視できます
以上が、現時点で発表されている ChromeOS 130 で導入予定の機能となります。詳細についてはこちらをご覧ください。なお、ChromeOS 130 は2024年10月29日にリリースが予定されています。