Google は Chromecast を廃止して、新しい Google TV Streamer を発表しました。この新しいデバイスはドングル式でテレビの後ろに取り付けるのではなく、テレビ台など卓上に置いて使う形式のデバイスです。このおかげで本体が大きくなり、Chromecast with Google TV (4K)に比べてパフォーマンスや接続性がアップグレードされています。
このうち、CPU のパフォーマンスは22%向上しているとしており、少なくとも新しいチップセットが搭載されていることは確実でした。しかし、Google はこのチップセットが何であるかは具体的にしておらず、これまでと同じであれば Amologic のチップセットが採用されていると予想されました。
ところが、Android Authority の報告によれば、Google TV Streamer のコードネーム「Kirkwood」が、MediaTek MT8696 チップセットで動作していることを確認したとしています。このチップセットは2021年に発売された Amazon Fire TV Stick 4K Max に搭載されているものと同じであり、2023年に登場した第2世代とも同じです。
一方、MT8696 の仕様は MediaTek も公開していませんが、Amazon に掲載されている情報では MT8696(T) チップは最大2.0GHzで動作する Cortex-A55 クアッドコア CPU を搭載しているとしています。また、GPU は最大850MHzで動作する Imagination Technologies の PowerVR GE9215 と言われています。なお、MT8696 チップは Dolby Vision、HDR 10、HDR10+、HLG、H.265、H.264、VP9、および AV1 コンテンツのデコードをサポートしています。
ちなみに Amazon と同じチップセットですが Google TV Streamer は 4GBRAM と 32GB ストレージを搭載しています。しかし、Google は MT7663e2 Wi-Fi モジュールを採用したため Wi-Fi 6 ではなく Wi-Fi 5 のみのサポートとなっています。
この違いが操作性やユーザー体験にどの程度の影響を与えるかは実際に使ってみなければわかりませんが、少なくとも既存の Chromecast with Google TV 4K よりはスムーズになるはずです。
日本で発売されるかはまだわかりませんが、Chromecast が在庫限りで販売を終了することが発表されているため、いずれ置き換えられると思われます。