Apple の iPhone はようやく Android ユーザーとの共通コミュニケーション手段として RCS (リッチコミュニケーションサービス)をサポートすることになり、現在開発に取り組まれているわけですが、画像を送信するときに新たな問題が発生していることが報告されており、しかもこの問題の原因は Apple ではなく Google にあるようです。
この問題は Android Authority によって報告されたもので、現在は米国の iOS 18 Beta によって iPhone ユーザーが iMessage から RCS で送受信できるようになっていますが、画像の送信をテストしたところ Google メッセージから送信された画像が極端に圧縮されて iMessage で表示されるとしています。
ただ、Google メッセージが送信する画像を大幅に圧縮してしまうのは、2023年に Google メッセージの設定に｢写真をすばやく送信｣という機能が追加されており、これが有効になっているとすべての画像を圧縮して送信するためです(デフォルトで有効)。
しかし、Android Authority では実際にトグルをオンとオフの両方で画像送信のテストをしてみたところ、オンの場合は画像の圧縮率は98%で、オフにしても圧縮率は93%であったことを伝えています。つまり、どちらの場合も相当に圧縮されてしまうことに変わりはなく、オフにすればちょっとだけマシになるという程度です。
また、Google メッセージをベースにして開発されている Samsung Message アプリを利用してテストしたところ、送信する画像の品質を圧縮ではなく｢オリジナル｣に設定すれば、説明どおり圧縮されない状態で送信できたとしています。
ネットワークやデバイスによる可能性も考えられるため、様々なキャリアの Android デバイスからテストしてみたようですが、どの条件であっても Google メッセージから iPhone に送信される画像は最大98%で圧縮されて届いてしまうことを伝えました。
一方、Apple の iMessage から Android デバイスに RCS 経由で画像を送信すると、画像の圧縮はされず高解像度のまま送信できるとしています。そのため、これは Apple の iMessage が原因ではなく Google メッセージ側に問題があると結論付けています。
現在はまだベータ版の扱いであるため、このような状態でも仕方ないと思いますが、正式にリリースされたときにも同じ状態であれば、Android ユーザーから送られてきた写真を見た iPhone ユーザーの反応はあまり良いものではないはずです。とくに Apple の iOS 18 プレビューの RCS メッセージの説明では、｢iMassage ユーザーでなくても、より容量の大きなメディアの送受信｣と書かれているくらいなので、大幅圧縮されて画像が届いているとなったらまた一悶着ありそうです。
これが正式リリースまでに修正されるかはわかりませんが、Google 側から推し進めた RCS なわけなので、ここはしっかりと対処して欲しいものですね。
