指紋センサのプロバイダーである Goodix が Vivo と協力し、同社初の超音波指紋ソリューションを商用化して Vivo スマートフォンに搭載したことが発表されました。
これまでディスプレイ下内蔵式の超音波指紋センサは Qualcomm のみが提供していましたが、コストが高いこともあり一部のフラッグシップデバイスでのみ採用されています。ここに Goodix という選択肢が登場し、超音波指紋センサが普及していくことで将来的にミッドレンジスマートフォンなどでも超音波指紋スキャナが採用される可能性が出てくることが期待されます。
現在、スマートフォンに提供されている指紋スキャナ(指紋リーダー)には様々な形状やサイズがあり、従来であればデバイスの背面や電源ボタン、最近ではディスプレイの下に配置されるようにもなっています。この指紋スキャナには精度とコストに応じて、光学式指紋スキャナ、静電容量式指紋スキャナ、超音波指紋スキャナの3種類があります。
光学式指紋スキャナは古くからあり、価格を抑えることもできますが、指が汚れていたり濡れていると読み取りが不正確になること、なりすましの懸念もあることが挙げられます。静電容量式はセキュリティの不安は低く、小型でコンパクトなサイズになりますが、指の状態によっては読み取りがうまくできないことがあります。
一方、超音波指紋スキャナは3つのなかで最も新しく、デバイスのディスプレイ下に収めることができ、超音波によって指が汚れていたり濡れていても正確なスキャンができるようになる特長がありますが、他の2つに比べてコストがかかるという問題があります。また、現状では Qualcomm がディスプレイ下内蔵式指紋スキャナーを唯一製造しており、コストが高いことでごく一部のフラッグシップデバイスでしか採用されていません。
しかし、指紋センサのプロバイダーである Goodix が超音波指紋スキャナを広く採用してもらうための試みとして初の超音波指紋ソリューションを開発し、Vivo スマートフォンに搭載したことを公式ブログで発表しています。
これは Vivo との協力によって大規模な商用化を実現できたことで、今後は最適化を進めることでコストを削減し、最終的に超音波指紋スキャナの採用を広く促進することを目指すとしています。とは言え、どの程度広がりを見せるかは結局のところ価格次第ですが、光学式指紋センサで広く知られている Goodix が取り組むことによって、将来的にはフラッグシップだけでなくミッドレンジクラスのスマートフォンにも超音波指紋センサが普及することが期待できます。
Source Doodix via Android Police