e-ink ディスプレイとフル QWERTY キーボードを搭載した Android スマートフォン「The Minimal Phone」がクラウドファンディングサイト Indegogo に登場し、現在出資を募っています。
日本円では64,795円(400ドル)のベース価格から早期割引があり、4万円台後半の出資で購入することができますが、記事執筆時点では最も安価になる29%割引はすでに完売しており、23%オフの48,784円の出資が残りわずかとなっています。
なお、固定目標が設定されているため締め切りまでに目標額を達成した場合にのみ資金を受け取るとなっています。
「Minimal Phone」は Android と e-ink ディスプレイ、QWERTY 物理キーボードの3つが揃った非常に珍しいコンセプトのスマートフォンです。公式自ら野心的な取り組みと語るように、技術的な課題だけでなくユーザーニーズも含めて様々なリスクがあることに注意してください。
現在明らかにされている暫定スペックは次のとおりです。
暫定の仕様
OS | Android 13 |
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ディスプレイ | 3.5インチ E-Ink 300ppi 高リフレッシュレート フロントライト |
CPU | MTK6769 (MediaTek Helio G85) |
RAM | 4GB |
内部ストレージ | 128GB |
外部ストレージ | – |
リアカメラ | 16MP |
フロントカメラ | 8MP |
ネットワーク | Wi-Fi 5 Bluetooth 4.1 NFC |
バッテリー | 4,000mAh 18W有線充電 20W未満のワイヤレス充電 |
ポート | USB-C 3.5mm audio jack |
その他 | 側面指紋センサ 物理キーボード 顔認証 GPS |
サイズ | 120.59×72.22×10mm |
性能面はミッドレンジクラスと言えますが、撮影やゲームなどを主目的にしたデバイスではないのでそこまで問題にはならないと思います。ワイヤレス充電やNFC、指紋センサなどもひと通り揃っているようなので使い勝手は悪くなさそうです。
物理キーボードで E-ink という点はユニークで面白いデバイスだと思いますが、気になったこととして動画で紹介されているプロトタイプを見るとイメージ画像と違ってベゼルがかなり厚みがあることです。
ただ、公開された動画についたコメントに対して公式から「私たちのビデオに登場する携帯電話は単なるプロトタイプです。当社の製造バージョンはさらに洗練され、ベゼルが薄くなります」と返信があることから、今後改善される可能性は高いと思います。
動画で登場したデバイスはプロトタイプであることを念押ししているため、改善する意欲はあるのだと思いますが、最終に近い製品ではないことで出資に対して消極的なユーザーも少なからずいるようです。私も Minimal Phone へ出資を検討していますが、手を出すかどうかは悩ましいところ。
なお、FAQなどを確認すると北米版以外にもグローバルモデルを展開する予定であること、少なくとも5年間のセキュリティアップデートと3年間のOSアップデートを提供する予定であること、現在は物理SIMだけど eSIM も検討していることなどが回答されています。
Android で動作しているので日本語入力に関しては問題ないと思いますが、デフォルトの画面で日本語表示に対応しているかやキーのショートカットのカスタマイズなどができるかといったことが気になります。
リスクはそれなりにありますが、面白いデバイスではあるので興味のあるユーザーは Indegogo をチェックしてみてください。