Google Chrome のバージョン 141 へのアップデート後、実験的機能である「ウェブコンテンツの自動ダークモード」を有効にしている一部のユーザーから、ウェブサイト上の画像が不適切に反転表示される不具合が報告されています。
この問題により、Amazon のロゴや YouTube のサムネイル、QR コードなどが正しく表示されず、ブラウジング時に影響が出ています。
Auto Dark Mode で発生している不具合
不具合は Chrome 141.0.7390.55 の配信直後から確認されており、chrome://flags で「Auto Dark Mode for Web Contents」を有効にし、「selective inversion on non-image elements(非画像要素のみ反転)」を選択している環境で発生します。

影響を受けると、以下のような症状が発生します。
- Amazon などのサイトロゴが反転して表示される
- YouTube のサムネイルが歪む、または明暗が逆転する
- 新しいタブページのアプリアイコンが崩れる
- QR コードが反転し、読み取れなくなる
以前のバージョン(Chrome 140 以前)では問題なく表示されていたサイトでも、Chrome 141 に更新すると画像要素の処理が誤り、視認性が大きく低下します。

原因はカラー空間の変更によるもの
Google の IssueTrakcer によると、今回の不具合はバージョン 141.0.7364.0 から 141.0.7365.0 の間に行われたコード変更に起因しています。これは、自動ダークモードの内部コードを整理する過程で発生した副作用とみられています。
Microsoft のエンジニアによれば、Chrome が画像処理に使用するカラースペースが従来の方式から「LAB カラー空間」に変更されたことが原因とのことです。これにより、画像の反転処理ロジックが誤作動し、通常の画像まで反転されてしまっています。

問題は Windows、Linux、macOS のすべての環境で確認されており、Stable / Beta / Dev / Canary の各チャンネルにも影響しています。
対応状況と一時的な回避策
開発チームはすでに不具合を認識しており、今後のアップデートで修正を予定しています。同時に、「selective inversion on non-image elements」オプション自体を削除する方針も検討されているようです。
一時的な回避策としては、以下のいずれかの方法が有効です。
- フラグ chrome://flags から「Auto Dark Mode for Web Contents」を「Disabled(無効)」に設定する
- Chrome 140 へ一時的にダウングレードする
Auto Dark Mode は実験的機能であり、今回のように安定性に影響を及ぼす可能性があります。利用する場合は、安定版で修正が行われるまで一時的に無効化するのが安全です。
出典: PiunikaWeb