Google、Pixel 望遠カメラの動画撮影の問題に「修正は約束できない」と回答

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PIxel 10 Pro のリアカメラのアップ写真

Google Pixel シリーズで以前から指摘されてきた、望遠レンズを使った動画撮影時の「カクつき」問題について、Google は詳細なログや検証結果を受けて調査を進めていたものの、最終的に修正を約束できないとの見解を示しました。

これにより、事実上この不具合への対応を断念した可能性があります。

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望遠カメラの動画撮影で発生する深刻なカクつき

この問題は Pixel 10 Pro をはじめ、Pixel 6・7・8・9 の各 Pixel Pro シリーズの望遠レンズを用いた動画撮影で発生します。

特に 5 倍望遠で撮影し、カメラを左右にパンさせると、映像が大きく引っかかるようなカクつきが生じることが報告されていました。

検証の結果、この現象は 電子式手ブレ補正 (EIS)を有効にしている場合にのみ再現し、EIS をオフにすると症状が解消することが分かっています。

そのため、原因は EIS と光学式手ブレ補正(OIS)の競合であることが示されています。

Google の調査、そして修正断念の可能性

ユーザーが数週間にわたりログと検証動画を提出したことで、Google は当初この問題をソフトウェアレベルの競合として認めていました。

しかし、最新のサポート回答では次のような変化が報告されています。

  • この問題を 「特定の問題(specific issue)」 と再定義
  • 過去のように “広範な問題” と扱わなくなる
  • 「修正を約束することはできない(could not promise a fix)」 と回答

すでに前回の報告時点で IssueTracker では「修正不可」と判断されていましたが、ユーザーがサポートからの回答により、Google が実質的に修正を提供しない方向へ舵を切った可能性がより濃厚になっています。

なお、別の IssueTracker ではすでに修正済みとされている内容もありますが、今回報告されている望遠カメラの動画撮影におけるカクつきは解消されていません。

有効な回避策と残る矛盾

この問題の影響を受けている場合、現時点で利用できる対策は次のとおりです。

  • カメラ設定で EIS(動画手ブレ補正)をオフにする
  • Open Camera などのサードパーティ製アプリを使用する

特に Open Camera では独自の安定化処理を行っているため、Pixel 純正の EIS 実装に起因するカクつきが発生しません。これはハードウェアの故障ではなく、ソフトウェア側の調整不足であることを裏付けています。

一方で、Google は開発者向けドキュメントで OIS/EIS の競合に注意喚起しているにもかかわらず、純正カメラアプリで同様の競合が発生している点は、大きな矛盾として残っています。

まとめ

今回の内容から、Google がこの不具合に対して積極的に修正を行う可能性は現時点では高くありません。

Pixel シリーズは高度なソフトウェア補正が強みですが、望遠撮影時の挙動については以前から改善が行われておらず、ユーザーからの不満も続いています。

今後も Pixel カメラアプリのアップデートや Google の対応に動きがあれば、HelenTech でも引き続き紹介していきます。

出典: PiunikaWeb, Reddit

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著者情報

尾村 真英のアバター 尾村 真英 Technical Writer

HelenTech を運営している 尾村 真英 です。これまでに 50 台以上の Chromebook をレビュー しており、主に小規模事業者を対象に Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行っています。
現在は、Chrome Enterprise 公式ユーザーコミュニティのモデレーターとしても活動し、Professional ChromeOS Administrator 資格を保有しています。

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