Google マップの「タイムライン」機能に関して、一部ユーザーからバックアップが正常に行えず、過去の位置情報履歴が表示できないという不具合が報告されています。
2023 年、Google はプライバシー保護を理由にタイムラインの ウェブ版を廃止し、データをローカル (スマートフォン) に移行する方針を発表しました。これにより、移動履歴データは個人のデバイス上で管理されることになりましたが、この移行に伴い、多くのユーザーがデータのバックアップで問題が発生しています。
「バックアップできません」のエラーが発生
Android Headlines によると、少なくとも 1 年以上前から、Google マップのタイムラインにおいてバックアップをオンにしてもエラーが発生し、バックアップが作成されなかったり、復元できなかったりするケースが続いているとのことです。
特に問題となっているのは、Google アカウントのパスワードを変更したあとで、バックアップの新規作成や既存バックアップのインポート・復元ができなくなるという点です。また、スマートフォンの初期化や端末の変更を行っても、問題が解決されない場合が多いようです。
実際に、Google マップのヘルプコミュニティには「バックアップを表示できません (Can’t show your backups)」というエラーが出るという報告が複数寄せられており、公式の対応がないまま現在も問題が継続している状況です。
一部では、同じ Google アカウントを複数端末でログインすることで表示できるようになるという回避策もありますが、完全なバックアップ復元やデータ統合はできず、根本的な解決策にはなっていません。
タイムラインが使えなくなる影響
タイムライン機能は、過去に訪れた場所や移動経路をマップ上で振り返ることができる Google マップの記録機能です。旅行の思い出を見返したり、仕事で訪問した場所の記録を経費精算に使ったりと、私的・業務的な用途で活用しているユーザーも少なくありません。
そのため、バックアップの不具合によって過去のデータにアクセスできなくなることは、単なる技術的問題にとどまらず、個人的にも感情的にも大きな影響を及ぼすケースがあります。
今回の問題は、クラウド上に保存されているデータが、サービス側の問題によっていつでもアクセスできなくなる可能性があるというリスクを浮き彫りにしました。利便性の高いクラウドサービスですが、重要なデータについてはオフラインでのバックアップも検討する必要があるかもしれません。
移行当初は「バックアップが消える」問題が発生
なお、この変更が広く展開され始めた 2024 年 12 月以降、一部のユーザーが Google マップのタイムラインが消えているという報告をしていました。
これは Google の指示通りにタイムラインを有効にしていたにも関わらず、タイムライン上から訪問場所の情報が突然消えてしまうというものでした。
最終的に Google はこの問題を認め、2025 年 3 月に修正したことを発表しています。ただし、ほとんどのユーザーのデータは復元されましたが、バックアップが無効になっていた場合は、復元ができないとされました。
まとめ
Google マップ タイムラインのバックアップエラーは、1年以上にわたり多くのユーザーに影響を与えている深刻な問題です。ユーザーにとっては大切な思い出や実用的な記録が失われるリスクがあり、Google による早急な原因究明と対策が求められます。
2025 年 10 月時点では Google から公式な声明や修正アップデートは出されておらず、今後の対応が待たれます。