現在のChrome OSでは、「ギャラリーアプリ」というネイティブアプリによって、画像ファイルの表示や簡単な編集を行っていますが、あまり大きな変更が加えられていないため物足りなさを感じる方もいると思います。
2019年末に、Googleが「メディアアプリ」と呼ばれる新しいネイティブアプリを追加していますが、その機能自体は現在のギャラリーアプリと大きな差はありませんでした。
しかし最近のCanaryチャンネルのアップデートにより、新しい「メディアアプリ」には、注釈ツールやEXIFサポート、カラーフィルターなどの機能に加えてUIの微調整など、より使いやすく便利に変更が行われています。
ただし、これらの機能のほとんどはCanaryでのみ動作しており、一部はDevでも利用可能です。
注釈ツール
Chromebookでは、画像への注釈がギャラリーアプリではできないため、描画アプリやAndroidアプリに任せるしかなく非常に面倒くさいのが残念なポイントでした。
しかし新しいメディアアプリを使えば、画像への注釈がその場でできるようになるため、他のアプリを使用するなどアプリを行き来する手間がなくなります。
この機能を試すには、chrome://flags#media-app-annotation のフラグを有効にする必要があり、オンにして再起動するとメディアアプリ(旧ギャラリーアプリ)に、手書きアイコンが加わります。
注釈ツールはシンプルでわかりやすく、メニュー上部にあるアイコンをクリックすれば右側にペンの種類とサイズ、色が表示されています。
これによってスクリーンショットを撮ったあとに画像へ追記することも楽にできるようになります。
またPixelbookで試してみましたが、筆記時の遅延などもほとんど感じられず、Googleの”描画キャンパス”アプリを使うよりもスムーズだと思います。
ちなみにメディアアプリからでもPDFへの書き込みができるようになる chrome://flags#media-app-pdf-in-ink というフラグもありましたが、こちらは非常に見づらく改善が必要(というか未完成)のため、今までどおりChromeに組み込まれたPDFビューアやAndroidアプリを使う方がまだマシでした。
カラーフィルター
続いてメディアアプリでは、Instagram風のカラーフィルターも導入されていますが、どうやら自動修正がないWeb版のGoogleフォトと言った感じです。
ちなみにこの機能も実験中で、メディアアプリにある3点ドットから”Experiments”内の”Enable colorFilterTool”をオンにしないといけません。
ただ実際に使ってみたもののGoogleフォトと変わらないし、個人的にはほとんど使う機会のない機能かな…と思います。
EXIFサポートなど…
この他にもEXIFもサポートされるため、カメラのメタデータをメディアアプリだけで表示できるようになります。
こちらの機能も”Experiments”に”displayExif”を有効にする必要がありますが、まだ機能はしていないため、どのように表示されるかはわかりません。
あとは新しい項目が追加されたことによるUIの調整など見た目に関わることとなります。
冒頭にもお伝えしましたが、これらの機能はまだCanaryチャンネルで動作しているものになりますので、Stableに到着するにはまだしばらくかかりそうです。
これらはChrome OS 89のStableで実装されると見られますので、早くても3月頃となりそうです。
Source: Android Police