Google は 2025 年 12 月 19 日(現地時間)、Google Workspace ユーザー向けに、最新のAIモデル「Gemini 3 Flash」の展開を開始していることを発表しました。
Gemini 3 Flash が発表された 18 日時点(日本時間)で、HelenTech の管理する Google Workspace アカウントや個人の Google アカウントでの展開を確認しています。
このモデルは、Google が提供する現状最高峰の知能を持つ「Gemini 3」をベースにしながら、「スピード」を重視して設計されています。日常的なビジネス業務において、AI の待ち時間を最小限に抑え、リアルタイムに近い感覚で情報の処理や生成が可能になります。
スピードと知能を両立した「Gemini 3 Flash」
Gemini 3 Flash は、検索、要約、ドキュメント分析、データ抽出など、処理の速さが業務効率に直結するタスクで有効です。
単にテキスト回答が早いだけでなく、マルチモーダル能力も向上しており、画像、音声、ビデオ、テキストといった異なる形式のデータを横断して理解できるため、複雑な資料の読み込みもスムーズに行えます。
例えば、プロジェクトのステータスレポートから重要な進捗と課題を 1 段落で要約し、割り当てられたアクションアイテムを期限付きの表形式で抽出するといったことも可能になります。
用途に合わせて選べる「高速モード」と「思考モード」
今回のアップデートにより、Workspace ユーザーは Gemini アプリ内で用途に応じたモード選択が可能になりました。
- 高速モード(Gemini 3 Flash): 即座に回答が欲しい、日常的なタスクに最適。
- 思考モード(Gemini 3 Flash): 複雑な問題に対して、論理的な思考プロセスを経て回答を導き出したい場合に適しています。
- Pro(Gemini 3 Pro): 高度な数学やプログラミングなど、より深い専門性が必要な場合に選択します。
一般的なメールの作成やブレインストーミング、資料の要約であれば「高速モード」や「思考モード」で十分です。

実際に使用した印象では、「高速モード」は Gemini 2.5 Flash よりも賢く 2.5 Pro だけど早い、「思考モード」は Gemini 2.5 Pro より賢く 3 Pro 未満でしたが、どちらも以前より回答の速度が早く、質も向上していました。
ただ、より専門的な解釈や複雑なアイデアを整理する場合には、依然として Pro モデルが必要です。
なお、これらのモードは Workspace アカウントに限らず、個人の Google アカウントでも利用可能です。
展開スケジュールと対象プラン
今回の展開は、2025 年 12 月 17 日から即時リリースおよび計画的リリースの両ドメインで開始されています。すべてのユーザーに展開されるまで、最大で 15 日ほどかかる見込みです。
Google Workspace 管理者は、管理コンソールの設定を通じて利用を制御できますが、すでに Gemini アプリを有効にしている組織では、エンドユーザーに自動的に提供されます。
対象となる Google Workspace プランは以下の通りです。
- Business Starter / Standard / Plus
- Enterprise Starter / Standard / Plus
- Education Fundamentals / Standard / Plus
- Google AI Pro for Education
- Frontline Starter / Standard / Plus
- Essentials Starter / Enterprise Essentials / Enterprise Essentials Plus
- Nonprofits(非営利団体向けプラン)
すでに展開されている組織も多いと思われますので、Gemini アプリを活用している場合には、どう使い分けるかを試してみてください。


