Google、Nano Banana Pro の画像生成のコツを紹介。プロンプト設計の基本と応用

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Google は最新の画像生成・編集モデル「Nano Banana Pro(Gemini 3 Pro Image)」を発表し、Gemini アプリをはじめ、AI Studio や Vertex AI などへ順次展開を進めています。

旧 Nano Banana(Gemini 2.5 Flash Image)から大幅にアップデートされ、日本語を含むテキストレンダリングの精度向上や、実世界知識に基づく正確な描写、複数の画像を組み合わせた高度な構成など、実務レベルの制作にも使える機能が強化されている点が特徴です。

なお、本記事のヒーロー画像(アイキャッチ画像)は Nano Banana Pro を使って生成したもので、プロンプトの改善点がそのまま分かる仕上がりになっています。

本記事では、Google が紹介した内容を踏まえながら、Nano Banana Pro を最大限に活用するためのプロンプト設計の考え方や、日本語での生成精度を高めるためのテクニックを解説します。

目次

Nano Banana Pro が強化されたポイント

Nano Banana Pro は Gemini 3 を基盤とする最新の画像モデルで、旧モデルに比べてテキストや細部表現の精度が向上し、構図や照明といったクリエイティブコントロールもより細かく指示できるようになりました。

特に、最大 14 枚の画像を入力として扱える点は、資料作成やプロモーション用素材など複雑な制作タスクにも役立ちます。

Gemini アプリから直接利用できる点もメリットで、SNS 用バナー、ブログのアイキャッチ、プレゼン資料の挿絵など日常的な制作の効率化に役立ちます。

ただし、画像生成時には Gemini 3 Pro を利用できる「Thinking (思考モード)」にする必要があります。「Fast」のままでは従来モデルの挙動になり、アスペクト比の指示などを無視するなどが発生するため注意してください。

プロンプト作成の基本:5 つの要素を明確にする

Google によれば、Nano Banana Pro の性能を引き出すには、以下の 5 つの要素を丁寧に盛り込むのが効果的としています。

  • 主題(Subject)
  • 構図(Composition)
  • 動作(Action)
  • 場所(Location)
  • スタイル(Style)

例えば、次のように記述するとモデルが想定するシーンを明確に伝えられます。

  • 「青い光を放つ目を持つ無表情のロボットバリスタが、未来的な火星カフェでコーヒーを淹れている。ローアングルのシネマティックショット。3D アニメーション風」

このほかにも、次のような点を意識してプロンプトを作成すると、意図通りの画像を生成しやすくなります。

  • アスペクト比を媒体に合わせる: ポスター、サムネイル、ウェブバナーなど、用途に応じたアスペクト比の指定します。
    • 「9:16 の縦型ポスター。夜景を背景に立つランナー。逆光で長い影が伸びる構図」
  • カメラ・照明の詳細を加える: f 値、光源の位置、色味などは仕上がりの印象を大きく左右します。
    • 「f/1.8 の浅い被写界深度。柔らかい自然光が窓から差し込む室内」
  • テキストの見た目を具体的に指定する: Nano Banana Pro はテキストレンダリングが高品質になったため、資料や SNS 用のテキスト入り画像に活用しやすくなりました。
    • 「上部に『URBAN EXPLORER』と太字の白いサンセリフ体を配置」
  • 参照画像を活用した高精度生成: 入力画像を用途ごとに分けて指定することで、キャラクターの一貫性やアートスタイルをより正確にコントロールできます。
    • 「ポーズは画像 A、アートスタイルは画像 B、背景は画像 C を参考に生成」

プロンプト次第で、素材にした画像から大きくシーンを変えることもできます。

現時点での制限と注意点

Nano Banana Pro にはいくつか制限も存在します。例えば、次のような点に注意してください。

  • 小さな文字や複雑な文章は誤字が発生することがある
  • 図表の“データの正確性”は保証されないため必ず検証が必要
  • 多言語テキスト生成に文化的な揺らぎが出る場合がある
  • 複雑なブレンドや照明変更でノイズや破綻が起きることがある
  • キャラクターの一貫性は完全ではなく、繰り返し調整が必要

こうした点を踏まえつつ、Gemini アプリや AI Studio の編集機能を併用することが実用的です。

Nano Banana Pro の実務での活用例

Nano Banana Pro の特長を活かすと、次のような制作に向いています。

  • SNS バナー・告知画像: 日本語テキストを含むビジュアルが安定し、告知画像の質を揃えやすくなりました。
  • Google Workspace 資料の図版作成: インフォグラフィックや説明図の生成は特に相性が良く、プレゼン資料の作成をスピードアップできます。
  • ロゴやブランド素材のモックアップ: ブランドカラーやロゴ配置など、一貫したスタイルで繰り返し生成できる点が便利です。

実際に使用したプロンプト(ヒーロー画像)

以下は、本記事のヒーロー画像を作成するために使用したプロンプトです。このプロンプト自体も Gemini に生成させています。

  • Subject: 人間の手が、輝くホログラフィックな光を放つAIインターフェースと触れ合っている様子。AIインターフェースには、複数の言語で表示されたテキスト、多様な画像スタイル、そして高解像度のビジュアルが未来的なUIとして表示されている。 
  • Composition: クローズアップショット、ダイナミックなアングル。 
  • Action: 手がAIインターフェースに触れることで、新しいアイデアやビジュアルが次々と生成されている瞬間。 
  • Location: 暗く洗練された未来的なワークスペース、または宇宙空間のような抽象的な背景。
  • Style: サイバーパンク、テクノロジーアート、フォトリアリスティックと3Dアニメーションの融合。SF映画のポスターのような、鮮やかで目を引く色彩。 
  • Text Integration: AIインターフェースの画面に「Nano Banana Pro」、「Gemini 3 Image」といったテキストが、未来的なフォントで鮮明に表示されている。
  •  Lighting: 画面から発せられる青や紫、緑などのネオンカラーの光が、手や周囲を照らす。

以前よりもちゃんとした日本語とフォントで表示されているように見える点は、確かに改善しています(競合のアイコンまで表示されているのは御愛嬌)。

まとめ

Nano Banana Pro は画像生成の精度とコントロール性が大きく進化し、実務レベルの制作に活用しやすいモデルとなりました。日本語プロンプトでも高品質な表現が得られるため、SNS バナー、アイキャッチ、資料用の図版など、幅広い用途で役立ちます。

基本要素の整理に加えて、構図・照明・テキストといった細かな指定を組み合わせることで、狙ったイメージをより正確に再現できるようになります。

Gemini アプリでも手軽に試せるため、ぜひ活用してみてください。

出典: Google Blog

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著者情報

尾村 真英のアバター 尾村 真英 Technical Writer

HelenTech を運営している 尾村 真英 です。これまでに 50 台以上の Chromebook をレビュー しており、主に小規模事業者を対象に Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行っています。
現在は、Chrome Enterprise 公式ユーザーコミュニティのモデレーターとしても活動し、Professional ChromeOS Administrator 資格を保有しています。

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