Google が、新しい Web 標準「Web Install API」のテストを開始しました。
この API により、Chrome や Microsoft Edge だけでなく、将来的には他のブラウザでも「プログレッシブウェブアプリ (Progressive Web App : PWA)」を直接インストールできるようになる可能性があります。
同機能は Chromium プロジェクトの一環として、Microsoft Edge チームと共同開発が進められており、GitHub 上で詳細が公開されています。
実際に筆者も Chromebook (ChromeOS 141) で実験的なフラグを有効にし、動作を確認しました。
Web Install API とは
Web Install API は、ウェブサイト自身や他のサイトから Web アプリ(PWA)を直接インストールできる仕組みを提供するものです。


これにより、従来のようにブラウザのプロンプトやアプリストアを経由せず、Web コンテンツ上からインストール操作を行えるようになります。
ブラウザは常にインストール確認を求めるため、安全でないアプリやリスト外のアプリが自動で追加されることはありません。
たとえば、アプリカタログサイトやディレクトリページに「インストール」ボタンを設置することで、ユーザーはクリック一つで Web アプリを追加できます。

なお、Chromebook (ChromeOS) では ChromeOS 139 以降、従来の Chrome ストアアプリは利用できなくなり、Web アプリの利用が基本となっています(一部例外を除く)。
Chrome と Edge で試験実装、Android 版も今後対応予定
現時点ではデスクトップ版 Chrome および Edge で試験的にサポートされており、Android 版も今後の対応が予定されています。
Firefox や Safari はまだ実装していませんが、Web 標準化団体での議論には参加しています。
開発者は Chrome または Edge バージョン 139 以降で、chrome://flags から「Web App Installation API」フラグを有効化することで試すことができます。

Microsoft Edge チームが公開しているデモページや Web Install API デモサイトで動作を確認可能です。
なお、冒頭でもお伝えしたように ChromeOS でもフラグを使って試すことができます。
PWA 普及を後押しする新しいアプローチ
Web Install API によって、ユーザーはアプリストアに依存せずに Web アプリを見つけて追加できるようになります。
開発者にとっては、より多くのユーザーに PWA を届けやすくなることから、クロスブラウザ環境での普及が進む可能性があります。
また、Google と Microsoft が協力して共通標準を推進している点も注目されるポイントです。将来的には、すべての主要ブラウザで統一されたインストール環境が実現することが期待されます。
ちなみに Chromebook では、以前から PWA 化されていないサイトを「ページをアプリとしてインストール」することで、擬似的にウェブアプリとして利用することができます。
出典 : Windows Report, GitHub


