Qualcomm は、ミドルレンジスマートフォン向けの新しいチップセット「Snapdragon 6s Gen 4」を発表しました。
Snapdragon 6 シリーズとして初めて 4nm プロセスを採用し、CPU パフォーマンスは最大 36%、GPU パフォーマンスは最大 59% 向上しています。
さらに FHD+ 解像度での 144Hz ディスプレイ、最大 200MP カメラ、Wi-Fi 6E、5G ミリ波 (mmWave) など、これまで上位モデルで採用されてきた機能もサポートします。
Snapdragon 6s Gen 4 の概要
Snapdragon 6s Gen 4(型番: SM6435-AA)は、Samsung の 4nm プロセスで製造される初の Snapdragon 6 シリーズチップです。

CPU 構成は、最大 2.4GHz のパフォーマンスコア ×4 と最大 1.8GHz の効率コア ×4 からなる 4+4 構成に刷新されました。
前世代(Snapdragon 6s Gen 3)の 2+6 構成から大きく変更され、これにより CPU パフォーマンスは最大 36% 向上しています。特にマルチコア性能が求められる動画エンコードやメディア編集、一部のエミュレーションアプリで動作が改善される見込みです。
GPU は Qualcomm Adreno を搭載し、前世代比で最大 59% のパフォーマンス向上しました。HDR(10bit/Rec.2020)や Vulkan 1.1、OpenGL ES 3.2 をサポートし、Variable Rate Shading(VRS)や Game Quick Touch により描画効率と応答性を高めています。
カメラ・通信機能の強化
カメラ機能は Qualcomm Spectra ISP(デュアル 12bit)を搭載し、最大 200MP の静止画撮影や 2K HDR 動画撮影に対応します。
ハードウェアアクセラレーションによるマルチフレームノイズリダクション(MFNR)で、低照度環境でもノイズを抑えた撮影が可能です。
通信面では、5G Release 16 に対応するモデムを内蔵し、Sub-6GHz と mmWave の両方式をサポートしています。下り最大 2.9Gbps の通信速度を実現し、Wi-Fi 6E(最大 2.9Gbps)と Bluetooth 5.4 にも対応します。
主な仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製造プロセス | Samsung 4nm |
| CPU | Kryo(4×2.4GHz + 4×1.8GHz) |
| GPU | Adreno(HDR, Vulkan 1.1 対応) |
| メモリ | LPDDR5X 最大 12GB(3,200MHz)/LPDDR4x 2,100MHz |
| ストレージ | UFS 3.1 |
| ディスプレイ | FHD+ 最大 144Hz |
| カメラ | 最大 200MP、2K HDR@30fps、720p@240fps |
| 通信 | 5G (mmWave / Sub-6GHz)、下り最大 2.9Gbps |
| Wi-Fi / Bluetooth | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.4 |
| 急速充電 | Qualcomm Quick Charge 4+ |
ミドルレンジ市場への影響
Snapdragon 6s Gen 4 は、4nm プロセスと新しいコア構成により、ミドルレンジ市場における性能と機能を大きく引き上げるチップセットです。
144Hz ディスプレイや 200MP カメラといった上位モデルの機能を、より手頃な価格帯のスマートフォンに提供すると見られ、Motorola、Xiaomi、HONOR などが今後採用する可能性があると言われています。
まとめ
Qualcomm の Snapdragon 6s Gen 4 は、4nm プロセスによる効率化と CPU/GPU の刷新により、ミドルレンジ帯の処理性能と機能性を大幅に向上させたチップセットです。
200MP カメラや Wi-Fi 6E、5G mmWave などの対応によって、上位モデルに迫る仕様を備えており、次世代の中価格帯スマートフォンに広く採用される可能性があります。
出典: Qualcomm


