Google Pixel スマートフォンに搭載されている「Pixel カメラ」アプリの最新バージョン 10.x において、プライバシー重視のカスタム OS 「GrapheneOS」など、Google Play 開発者サービスを搭載しないシステムでアプリがクラッシュする、あるいは起動しないといった問題が報告されています。
2025 年 10 月 23 日 更新: この原因が Play 開発者サービスのフォント依存であることが明らかにされました。詳しくは以下の記事をご覧ください。
この記事では、その原因と回避策について解説します。
Google Play 開発者サービスへの依存が原因か
Android Authority や Kuketz Blog などによると、Pixel カメラアプリの最新アップデート (バージョン 10.x) で、Google Play 開発者サービスへの依存が必須となったことが原因のようです。
これにより、GrapheneOS のように Google Play 開発者サービスを標準搭載していない環境では、アプリが正常に動作しなくなったと考えられます。
回避策:旧バージョンへのロールバック
この問題の回避策として、Pixel カメラアプリを旧バージョン (具体的には v9.9.106.773153235.19、ビルド ID 68469120) にロールバックする方法が挙げられています。
単純なダウングレードはできず、アプリのアンインストールなどいくつかの手順が必要ですが、これにより Google Play 開発者サービスなしで Pixel カメラを使い続けることができます。ただし、この方法では今後のアップデートによる新機能などは利用できなくなります。
以下は GrapheneOS の場合の手順です。
- 現在の Google カメラアプリをアンインストールします。
- Aurora Store を開き、右上の三点メニューから「Version」を選択します。
- バージョン番号として
68469120
を入力し、該当バージョンをインストールします。 - Aurora Store のブロックリスト設定で Pixel カメラアプリのアップデートをブロックします。
サンドボックス環境下では最新版も動作可能
一方で、Reddit のユーザー報告によると、GrapheneOS 上でサンドボックス化された Google Play ストアおよび Google Play 開発者サービスを実行している環境では、Pixel カメラアプリの最新バージョンも問題なく動作するようです。
完全に Google サービスから切り離された環境では問題が発生しますが、サンドボックス経由で Google Play 開発者サービスを利用している場合は、引き続き最新版が利用できる可能性が高いと言えます。
Google のエコシステム戦略の一環か
Pixel カメラは Google 製アプリであり、Google Play 開発者サービスとの連携強化は、Google のエコシステム戦略の一環と考えられます。 そのため、今回の仕様変更は、ある意味で予想された動きかもしれません。
GrapheneOS 開発チームは、長期的には独自のカメラアプリで Pixel レベルの画質を実現することを目指しています。 また、GrapheneOS は今後 1年程度で Pixel 以外のデバイスへの対応も計画されています。
まとめ
Pixel カメラアプリの最新バージョン 10.x は、Google Play 開発者サービスへの依存が強化されたことにより、GrapheneOS などの Google サービスを搭載しない環境でクラッシュする問題が発生しています。
回避策として旧バージョンへのロールバックがありますが、将来的なアップデートは受けられなくなります。 ただし、サンドボックス環境で Google Play 開発者サービスを利用している場合は、最新バージョンが動作する可能性もあります。
今回の変更は Google のエコシステム戦略の一環と見られ、GrapheneOS は独自のカメラアプリ開発と対応デバイスの拡大を進めています。