Google TV において、Google アシスタントの後継となる AIアシスタント Gemini への置き換えが進められていますが、一部のユーザーにおいて予定よりも早く Gemini が利用可能になったことが報告されています。これにより、セットアップ画面や音声選択肢の詳細が明らかになりました。
Google TV における Gemini の展開状況
Gemini は、Google アシスタントに代わる新しい AI アシスタントとして、Google TV にも導入が予定されています。これにより、より高度な機能や対話能力が Google TV 上で利用可能になることが期待されます。
現在、Gemini が利用可能な Google TV デバイスは、TCL の QM891G シリーズ (米国モデル名: QM9K) のみとなっています。Google は、Android 14 を搭載する他のデバイスに対しても「今年後半」に Gemini を展開するとしています。
「ソニー ブラビア」ユーザーによる先行利用の報告
今回、あるソニーブラビア(Android TV OS 搭載) のユーザーが、自身のテレビで Gemini が利用可能になったことを報告し、セットアップ画面のスクリーンショットを公開しました。
セットアップ画面で確認された内容
公開されたスクリーンショットからは、以下の内容が確認できます。
- Gemini と Google アシスタントの違いの説明: Gemini が従来のアシスタントとどのように異なるかの説明。
- 免責事項: 生成 AI の回答が常に信頼できるとは限らない旨の注意喚起。
- パーソナルデータの利用: Gemini がパーソナルデータを利用することを許可するかのトグルスイッチ。
- 音声選択 UI: Gemini の応答音声を選択するためのインターフェース。



Google TV 版 Gemini の音声選択肢
Google TV 版 Gemini では、合計 10 種類の音声が用意されており、これはモバイルデバイス版と同数であることが確認されました。しかし、音声の名称や説明はモバイルデバイス版とは異なり、Nest スピーカーで利用可能な音声と一致していました。
以下に Google TV 版と Android 版の Gemini 音声リストを比較します。
- Google TV の Gemini 音声 (Nest スピーカーと共通)
- Bloom: Calm, Mid-range
- Oxalis: Bright, Mid-range
- Fern: Warm, Higher
- Magnolia: Calm, Deeper
- Violet: British accent, Mid-range
- Pothos: Engaging, Mid-range
- Calathea: Australian accent, Higher
- Yarrow: Warm, Deeper
- Croton: Smooth, Deeper
- Amaryllis: Bright, Higher
- Android の Gemini 音声
- Nova: Calm, Mid-range
- Pegasus: Engaged, Deeper
- Ursa: Engaged, Mid-range
- Vega: Bright, Higher
- Eclipse: Energetic, Mid-range
- Capella: British accent, Higher
- Orbit: Energetic, Deeper
- Dipper: Engaged, Deeper
- Orion: Bright, Deeper
- Lyra: Bright, Higher
Google TV で Nest スピーカーと同じ音声リストが採用されたことは、スマートホームデバイス間での統一感を高める意図があると考えられます。
「OK Google」によるハンズフリー操作に対応した Google TV 搭載テレビが増えていることを考慮すると、スピーカーとテレビで同じ音声が利用できるのは自然な流れと言えます。
正式リリースは近い?
今回の報告は、TCL のフラッグシップモデル以外の Google TV デバイスで Gemini が有効になったという、現時点で唯一の一般ユーザーからの報告です。
ただし、セットアップ画面の音声選択ページに表示される Gemini のロゴが、Google が最近更新した新しいスタイルではなく、古いものである点も指摘されています。
これが未完成のリリースを示唆している可能性もありますが、Google が最近公開した Gemini に関する動画でも古いロゴが使用されていた例があり、一概には判断できません。
多くのユーザーへの展開は今年後半から段階的に行われると予想されますが、日本での展開時期については現時点で不明です。
出典: 9to5Google