Google、Pixel 10 Pro Fold の新型「ギアレスヒンジ」開発秘話を公開。大画面化とバッテリー性能向上を実現

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Google は公式ブログを更新し、新型折りたたみスマートフォン「Pixel 10 Pro Fold」に搭載された全く新しい「ギアレスヒンジ(Gearless Hinge)」の開発背景を紹介しました。

この新技術は、単なるスペック向上にとどまらず、より大きなディスプレイ、長時間のバッテリー駆動、そして折りたたみ式でありながら通常のスマートフォンと同等の使い勝手を実現するための重要な要素となっています。

目次

スペック更新に留まらない「挑戦的な道」

Pixel チームは Pixel 10 Pro Fold の開発にあたり、単にカメラやスペックを更新する「安全な道」ではなく、エンジニアリングの限界に挑む「より攻めた道」を選択したといいます。

その結果として生まれたのが、今回の新しい「ギアレスヒンジ」です。

信頼性と省スペース化を両立したギアレスヒンジ

従来の折りたたみスマートフォンでは、開閉動作を同期させるため複数のギアを組み合わせていましたが、経年劣化やホコリの侵入によるトラブルが課題でした。

新開発のギアレスヒンジは、この問題を根本から解決し、長期間にわたってスムーズな開閉体験を維持できる信頼性を実現しています。

ギアの代わりに採用されたのが「CAM(カム)」と呼ばれる機構です。CAM は回転運動を直線運動に変換することで、ギアがなくても左右のパネルが完全に対称的に動作する仕組みを実現しています。

開発初期には大きなエンジニアリング課題がありましたが、試作機は耐久テストをクリアし、ギアを取り除いたことで内部スペースに余裕が生まれ、設計の自由度が大幅に向上しました。

ギアレスヒンジがもたらした 3 つの進化

Pixel 10 Pro Fold では、ギアレスヒンジを採用することによって、以下の 3 つのような進化がありました。

折りたたみ式で最大級のディスプレイ

ヒンジがコンパクト化されたことで、Pixel 10 Pro Fold は折りたたみ式として最大級の 8 インチ メインディスプレイと 6.4 インチ サブディスプレイを搭載しています。

ベゼルを大幅に縮小し、より広く没入感のある表示を実現しました。

30 時間以上駆動する大容量バッテリー

内部構造の再設計によって、より大きなバッテリーを搭載することが可能になりました。

Pixel の折りたたみシリーズとして過去最大のバッテリー容量を実現し、最大 30 時間以上の連続駆動が可能です。

Pro モデルとしての機能性とデザイン

デザイン面では「Phone First」、つまり「まずスマートフォンとして快適に使えること」が重視されています。

磨き上げられたアルミ製ヒンジと、ダイヤモンドカット加工によるエッジが高級感を際立たせ、ヒンジの突出が少なく、手にしたときのフィット感も向上しました。

また、実用面でも大きな進化を遂げています。

  • IP68 防水・防塵対応: ギアが占めていた微小な隙間を排除したことで、折りたたみスマートフォンとして初の IP68 等級を取得。
  • Qi2 ワイヤレス充電対応: 磁力で固定される最新の Qi2 規格をサポートし、マグネット式充電器が背面に自動的に吸着します。

これにより、ユーザーは折りたたみであることを意識せず、通常の Pixel 10 Pro シリーズと同じ操作感で利用できます。

まとめ

Pixel 10 Pro Fold に採用されたギアレスヒンジは、単なる構造変更ではなく、大画面化・長時間駆動・高級感あるデザインを同時に実現するための革新的な技術となりました。現状維持ではなく、ユーザーの使用感を向上させる努力を見ることができます。

出典: Google

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著者情報

HelenTech の運営をしている 尾村 真英 です。これまでに 50台以上の Chromebook をレビュー しており、主に小規模事業者を対象に Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行っています。
現在は、Chrome Enterprise 公式ユーザーコミュニティのモデレーターとしても活動中で、Professional ChromeOS Administrator 資格を保有しています。

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