Google は、AI モデル「Gemini」を Chrome ブラウザの開発プロセスに導入し、コードレビューを自動化する取り組みを開始しました。
Chromium プロジェクトの新しい変更ログによると、開発者は Gemini を利用して、コード変更の内容を自動的に確認・評価できるようになります。
Chromium に「AI Review」機能が追加
Chromium Gerrit に追加された最新の変更では、Gemini CLI に新しいコマンド /cr:gerrit:aireview が導入されました。
このコマンドは、開発者が提出したコード変更(Change List)の説明や差分をもとに、Gemini が自動的にレビューを生成します。
Gemini は以下のような観点でコードを確認します。
- バグや予期しない動作の可能性
- セキュリティリスクの有無
- コードスタイルや可読性の一貫性
- 既存設計との整合性
- テストが十分に含まれているか
これにより、開発者は人によるレビュー前に AI からの指摘を受け取れるようになり、エラー検出やセキュリティリスクの早期発見が可能になります。また、コードの品質を維持したままレビュー時間を短縮できるため、Chrome の更新頻度や安定性の向上にもつながります。
開発支援ツールとしての Gemini 活用が拡大
Gemini はこれまで、Chrome のサイドパネルを通じてページ要約や質問応答などのユーザー支援機能として提供されてきました。
今回の変更は、それと並行して Google が Gemini を 開発支援ツールとしても活用し始めたことを示すものです。
Google は近年、AI をコード解析や脆弱性検出などの分野にも活用しており、Chrome への統合はその取り組みの延長とみられます。
AI による自動レビューは、開発者の負担を減らしつつ、より信頼性の高いブラウザ更新を実現する重要な一歩といえます。結果として、Chrome の新機能提供やアップデート配信をより迅速かつ安全に進められる可能性があります。