Android 16 の次の四半期アップデート (QPR2) により、開発者やパワーユーザー向けの機能である「Linux ターミナル」アプリのファイルアクセスが大幅に改善されることがわかりました。
これまで「ダウンロード」フォルダに限定されていたファイルアクセスが、Android 16 QPR2 Beta 2 のアップデートにより、写真やドキュメントを含むほぼ全ての「共有ストレージ」に拡張されます。
これにより、Android アプリと Linux ツール間での面倒なファイル移動の手間が不要になり、作業効率が大幅に改善されます。
これまでの Linux ターミナルの課題
Android デバイス上で Linux 環境を動作させる「Linux ターミナル」アプリは、Web サーバーの構築やメディアファイルの変換、AI モデルのローカル実行など、Android ネイティブでは利用できない高度なツールへのアクセスを可能にします。
しかし、これらのツールをローカルファイルで利用する際には、大きな制約がありました。現状では、Linux VM は Android の「ダウンロード」フォルダ(VM 内の /mnt/shared ディレクトリにマウント)にしかアクセスできません。
そのため、多くの Android アプリが保存する「ダウンロード」フォルダ以外のファイルを利用する場合、手動でファイルをコピーする必要がありました。
Android 16 QPR2 で実現する改善点
Android 16 QPR2 では、Linux ターミナルが「共有ストレージ」として扱われるほとんどのディレクトリにアクセスできるようになります。
「共有ストレージ」とは、適切な権限を持つ Android アプリや PC 接続時に見える領域のことで、ユーザーは「ダウンロード」フォルダ以外にある写真やドキュメントなども、Linux VM から直接操作できるようになります。

ただし、システムのデータディレクトリや、各アプリのプライベートなデータ領域へのアクセスは引き続き制限されます。そのため、アプリが明示的にファイルを共有可能にしていない場合は、Linux VM からアクセスすることはできません。
リリースの見込み
この新しいファイルアクセス機能は、現在リリースされている Android 16 QPR2 Beta 2 で既に有効になっています。
このことから、2025年12月上旬にリリースが予定されている安定版の Android 16 QPR2 にも、この変更が含まれる可能性が高いと考えられます。
Google がこの変更を取り下げる可能性は低いと見られますが、今後の動向に注目です。