血糖値などを常時監視する医療機器は、多くの人にとって不可欠なデバイスですが、現在の Android OS では、省電力機能がアプリのバックグラウンド動作を意図せず停止させてしまい、生命に関わる重要な通知が届かないというリスクがありました。
この問題を解決するため、Google が次期 Android 17 で、医療機器アプリの動作を安定させる新機能を導入する可能性があります。
医療機器専用の「Medical」プロファイル
Android Authority が Android 16 QPR2 Beta 2 のコードから発見した情報によると、新たに追加される可能性があるのは、「Medical」と名付けられた医療機器専用のコンパニオンデバイスプロファイルです。
医療機器アプリに対して、ユーザーが一度許可するだけで、アプリは OS のバッテリー管理機能による影響を受けにくくなり、バックグラウンドで安定して動作し続けることが可能になります。
これにより、センサーからのデータ受信や、危険を知らせるアラートが中断されるリスクが大幅に低減されることが期待されます。
メリットと今後の展望
この新機能は、特にインスリンポンプのように決まった時間に正確な動作が求められるデバイスにとって、非常に大きなメリットとなります。
一方で、持続血糖測定器(CGM)などが求める「サイレントモードの強制解除」といった、さらに高度な権限はまだ含まれていません。この点については、今後の機能拡張が期待されます。
今回発見された「Medical」プロファイルは、Google が医療機器の重要性を認識し、Android OS の設計に反映させようと取り組んでいることを示しています。
この機能は SDK バージョン 37 に関連付けられていると見られており、来年リリースされる予定の Android 17 で正式に導入される可能性があります。