Google の新しいスマートフォン「Pixel 10」シリーズは、マグネットによる位置合わせが可能なワイヤレス充電規格「Qi2」に新たに対応しています。
しかし、最上位モデルである Pixel 10 Pro XL のみが最新バージョンをサポートし、Pixel 10、10 Pro、10 Pro Fold は 2023 年にリリースされた旧バージョンを採用していることが明らかになりました。
モデルごとに異なる Qi2 バージョン
Pixel 10シリーズは、マグネット付きの Qi2 ワイヤレス充電を本格的にサポートする Android スマートフォンです。しかし、その対応バージョンはモデルによって異なっています。
9to5Google によれば、最上位モデルの Pixel 10 Pro XL は、最大 25W の高速充電に対応する最新規格「Qi 2.2.0」をサポートします。
一方で、標準モデルの Pixel 10、Pixel 10 Pro、そして折りたたみモデルの Pixel 10 Pro Fold は、2023 年に策定された「Qi 2.0.1」を採用しています。
ユーザーへの影響は限定的
旧バージョンの採用は一見すると大きな違いに思えますが、一般ユーザーへの影響は限定的です。Qi 2.0.1 を搭載するモデルでも、既存の Qi2 対応充電器は問題なく使用でき、最大 15W でのワイヤレス充電が可能です。
25W の高速充電はできませんが、基本的な利便性は損なわれないため、ほとんどのユーザーにとっては十分な仕様です。
一方で、Qi2 を採用したことで「バッテリーシェア」機能が削除されていることに注意してください。
なぜ旧バージョンを採用したのか
Google が Pixel 10 Pro XL 以外のモデルで旧バージョンを採用した明確な理由は不明ですが、先日報じられたように、Google は小型デバイスで 25W 充電をサポートしない理由として「熱の問題」を挙げています。
しかし、Qi 2.2 規格における 25W 充電はオプション機能であるため、この説明だけでは旧バージョンを採用した直接的な理由としては不十分な可能性があります。
ちなみに、Apple の最新 iPhone も同じ Qi 2.0.1 バージョンを搭載しています。
Qi2 のバージョンごとの主な違い
Qi2 規格はバージョンごとに機能が拡張されています。主な違いは以下の通りです。
- Qi 2.0: マグネットを利用して最適な位置に固定する「Magnetic Power Profile」を導入。完全な後方互換性を持つ。
- Qi 2.1: マグネット式アクセサリーカバーのサポートを追加。デバイス上の障害物をテストする要件が追加。
- Qi 2.2: 最大 25W までの高速充電をサポート。電力制御の最適化。
Pixel 10シリーズでは、最上位モデルの Pixel 10 Pro XL のみが 25W の高速充電に対応する最新の Qi2 規格を採用し、他のモデルとの差別化が図られています。
標準モデルや 10 Pro、折りたたみモデルは旧バージョンとなりますが、15W 充電やマグネットによる固定など Qi2 の基本的なメリットは享受できるため、実用上の大きなデメリットにはなりません。
まとめ
結局、なぜ Pixel 10 Pro XL とそれ以外で充電速度に差があるのかは明確にはなりませんでしたが、単純に最上位モデルとそれ以外で差別化したい狙いがあったかもしれません。
とはいえ、Pixel 10 シリーズで共通して待望のマグネット内蔵であることに違いはないため、次世代モデル等で改善していくことに期待です。
- 関連記事:
出典: 9to5Google