Google は先日、新モデル「Google Pixel 10」シリーズを正式に発表しました。AI 機能の進化などがアピールされる一方で、これまでの Pixel に搭載されていた機能の一つ「バッテリーシェア」が搭載されていないことが明らかになりました。
この機能は、2020 年の Pixel 5 で初めて導入され、スマートフォンの背面からイヤホンなどのアクセサリ、あるいは他のスマートフォンをワイヤレスで充電できる便利な機能でした。
廃止の理由は Qi2 磁気充電の「物理的な制限」
Pixel 10 シリーズでは、より効率的で信頼性の高い充電を実現するために、新しい磁気ワイヤレス充電規格「Qi2」が採用されました。
この変更について Google に問い合わせた DroidReader によると、 Google から「Qi2 のために搭載された磁石の配列が充電器との強力な接続を生み出す一方で、リバースワイヤレス充電には物理的な制限があった」ことを説明されたとしています。
これにより、バッテリーシェア機能は Pixel 10 シリーズでは利用できなくなりました。

ユーザーへの影響と失われた iPhone に対する優位性
バッテリーシェアは、外出先で Pixel Buds のバッテリーが切れてしまった際や、家族や友人のスマートフォンのバッテリー残量が少なくなった際に、ケーブルなしで電力を分け与えることができる実用的な機能でした。
どれほどのユーザーが利用していたかはわかりませんが、この機能は Apple の iPhone には搭載されていないため、Pixel が持つ明確な優位点の一つでもありました。今回の変更は、一部のユーザーにとっては影響が大きいかもしれません。
将来的な復活の可能性はある
しかし、これまで唯一 Qi2 規格 に対応していた HMD Skyline は、5W のりーバースワイヤレス充電を搭載しています。このことから、技術的にはワイヤレス充電とリバース充電の両立が可能であることが示唆されています。
ただし、Google が採用している Qi2 のバージョン(おそらく Qi 2.2.1)と、HMD のバージョン(Qi 2.0.0)の違いが影響している可能性も考えられます。
Google 自身も「Pixel 体験を向上させるための将来のイノベーションを常に探求しています」と述べており、将来のモデルで何らかの形で機能が復活することに含みを持たせています。
まとめ
Pixel 10 シリーズは、Qi2 とマグネットの採用により安定したワイヤレス充電と MagSafe 対応アクセサリーを利用できるというという新しい利便性を手に入れました。
しかしその一方で、Pixel が長年培ってきたバッテリーシェアという独自の価値を手放すことになりました。
ユーザーにとってはトレードオフとなるこの変更が、今後の Pixel の使い勝手にどのような影響を与えるのかは気になるところです。
とはいえ、筆者はこれまでリバースワイヤレス充電を使うことはほぼなかったので、なくなっても特に影響はないと感じています。