スマートフォンの新機能として注目されている衛星通信ですが、一部のメーカーはその搭載に慎重な姿勢を見せ始めているようです。
特に中国のスマートフォンメーカーが、ミッドレンジモデルなどへの搭載を縮小する動きがあり、これが手頃な価格の Android スマートフォンへの機能普及を遅らせる可能性が報告されています。
中国メーカーは搭載モデルを縮小か
今回、信頼できる Weibo のリーカー Digital Chat Station 氏によると、中国のスマートフォンメーカーは衛星通信機能の搭載に消極的になっており、特にミッドレンジモデルや小規模なアップデートのフラッグシップモデルからはその機能が削減される傾向にあるとしています。

この機能は、現在では最上位のメモリ構成を持つモデルにのみ限定され、さらに同じ最上位モデルでも衛星通信機能を搭載しないバージョンが併売されるようになっているとのことです。
また、過去には衛星通信機能を最上位構成 (例: 16GB RAM / 1TB ストレージ) とセットで販売したフラッグシップモデルがあったものの、販売実績が振るわずに早期に生産終了となったケースがあることも指摘しています。
グローバル市場と手頃なモデルへの影響
この中国メーカーの動向は、衛星通信機能がより手頃な価格帯の Android スマートフォンへ普及する上で、障壁となる可能性があります。
Apple はすでに iPhone シリーズで衛星通信機能を提供しており、Google も次期モデル Pixel 10 シリーズで引き続き搭載することが噂されています。しかし、Android デバイス全体で見ると、この機能は Samsung Galaxy S25 Ultra のような一部のハイエンドモデルに限られているのが現状です。
中国のミッドレンジモデルが搭載を見送るとなれば、他の主要なグローバルメーカーが手頃な価格のモデルにこの機能を追加する理由はさらに薄れることになります。
まとめ
衛星通信機能は、緊急時の連絡手段としてだけでなく、より日常的なツールとしての活用も期待されています。例えば、Google の「デバイスを探す」機能が衛星経由での位置情報送信に対応する可能性が示唆されていました。
多くのメーカーが、販売台数の多いミッドレンジモデルへの搭載に踏み切らない限り、この機能を使いたいユーザーは、当面の間、高価なフラッグシップモデルを選択する必要がありそうです。
とはいえ、日本国内では衛星通信機能に制限がある場合も多い(例えば、Pixel デバイスの機能は日本対象外)ため、ユーザーに広げるためには、様々な壁があるものと思われます。