HMD が米国事業を縮小へ。Nokia ブランド、事実上の米国市場撤退か

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長年にわたり Nokia ブランドのスマートフォンを展開してきた HMD Global が、米国事業を「縮小する」と発表しました。この決定に伴い、同社の公式 Web サイトでは HMD および Nokia ブランド双方のデバイス販売が停止されており、事実上の米国市場から撤退したとみられています。

目次

公式サイトでの販売停止と背景

HMD は The Verge への声明で、「地政学的・経済的に困難な状況」が事業縮小の背景にあると説明しました。これは、米国の関税政策などを婉曲的に示している可能性があります。

現在、HMD の米国向け公式サイトでは製品を購入できなくなっており、「どこで購入するか」というボタンも機能していません。一方で、Amazon などの一部の販売店ではまだ在庫が販売されている状況です。

これまでの HMD と Nokia、今後のサポート

HMD は 2016 年に設立され、Microsoft から Nokia のフィーチャーフォン事業を買収し、Nokia ブランドをスマートフォンやタブレットで展開するライセンスを取得しました。その後、Nokia ブランドのスマートフォンやフィーチャーフォンなど、手頃な価格帯のモデルを中心に展開していました。しかし近年は、ユーザーが修理可能な「Skyline」を投入するなど、自社 HMD ブランドの展開に軸足を移していました。

HMD によると、既存ユーザーに対する製品保証やサービスは、引き続きグローバルチームによって提供されるとのことです。また、影響を受ける米国の従業員に対しても、移行期間中のサポートを約束しています。

HMD Global の公式声明

以下は HMD Global が The Verge に提供した声明の全文です。

多くのグローバル企業と同様に、HMD は困難な地政学的および経済的環境を乗り切っています。慎重に検討した結果、当社は米国での事業を縮小することを決定しました。

当社の優先事項は、お客様とパートナーへのシームレスな移行を確実にすることです。既存製品の保証範囲とサービスを含むすべての義務を引き続き果たし、グローバルチームを通じて完全なサポートを提供します。

私たちは、この変更によって影響を受ける米国の同僚たちの貢献を深く評価しており、この移行期間中に彼らを支援することにコミットしています。

HMD は、主流事業およびファミリー、セキュア、マイクロファイナンスなどの主要セグメント全体で力強い勢いを持ち、長期的な成長に引き続き注力しています。

まとめ

今回の HMD の決断は、かつて携帯電話市場の頂点に君臨した Nokia が、再び米国市場から姿を消すことを意味します。スマートフォン市場の競争の激しさと、地政学的な要因が、一つのブランドの運命を左右する厳しい現実を浮き彫りにしました。

公式には「縮小」とされていますが、今後の新製品投入はほぼないと見られ、事実上の撤退と受け止められています。Nokia ブランドのファンにとっては、また一つ、寂しいニュースとなってしまいました。

日本では HMD Global となった Nokia デバイスは正式に展開されていないため、今回の影響はほぼ受けることはありません。しかし、米国 Amazon 経由などで個人輸入をしていたユーザーにとっては残念です。今後、Clove Technology や Etoren などヨーロッパやアジア地域の直送可能な販売店から入手するしかなくなりました。

出典: The Verge

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著者情報

Masahide Omuraのアバター Masahide Omura Technical Writer

月間平均130万PVの当サイトを8年以上運営している 尾村 真英 です。これまでに 50台以上の Chromebook をレビュー しており、主に小規模事業者を対象に Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行っています。
現在は、Chrome Enterprise 公式ユーザーコミュニティのモデレーターとしても活動中で、Professional ChromeOS Administrator 資格を保有しています。

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