Google の生成 AI「Gemini」に、プライバシーを強化する新機能として「一時的なチャット」が追加される可能性が報告されました。この機能は、OpenAI の ChatGPT に搭載されている「一時チャット」と同様に、会話の履歴を残さずに利用できるものとみられています。
この情報は、Android Authority が Google アプリのベータ版 (v16.22.44) を解析したことで明らかになりました。
Gemini の「一時的なチャット」機能の詳細
Android Authority が公開したスクリーンショットによると、Gemini のサイドバーに新設された「新しいチャット」ボタンの隣に、消える時計のような新しいアイコンが確認できます。このアイコンをタップすることで、一時的なチャットを開始できるようになるようです。

この機能が有効になると、チャットの内容は以下の通り扱われると報告されています。
- チャットは「Gemini アプリ アクティビティ」や「最近のチャット」に表示されない
- 会話内容はモデルのトレーニングやパーソナライズには使用されない
- 安全上の目的で、会話内容は 72 時間保持される
これは、ChatGPT の「一時チャット」機能と非常によく似ています。ChatGPT では、一時的なチャットの内容は履歴に保存されず、モデルの学習にも利用されませんが、安全性のために最大 30 日間保持される場合があります。

ユーザーにとってのメリットと今後の展開
この機能が実装されれば、ユーザーはプライバシーをより強く意識しながら Gemini を利用できるようになります。
例えば、個人的な情報や機密情報を含むトピックについて質問したい場合や、単純に後から見返す必要のない一回限りの検索を行いたい場合に、履歴を気にすることなく気軽に利用できます。これまでは不要な会話を一つずつ手動で削除する必要がありましたが、その手間が省けることになります。これは、多くのウェブブラウザで利用できる「シークレットモード」や「プライベートブラウジング」に近い利便性を提供するものです。
Google はまだこの機能について公式な発表をしていませんが、ChatGPT との機能競争において、ユーザーのプライバシー保護は重要な差別化要因となり得ます。この一時的なチャット機能が正式にリリースされれば、多くのユーザーにとって歓迎すべきアップデートとなる可能性があります。