Xiaomi は今年 5 月に、独自開発したチップセット XRing O1 を Xiaomi 15S Pro および Xiaomi Pad 7 Ultra でリリースしました。このチップは Snapdragon 8 Elite に近づくレベルの高いパフォーマンスを発揮していますが、新たな情報によれば次世代の XRing チップはさらに性能が向上する可能性があるようです。
この情報はリーカーの Digital Chat Station によるもので、Xiaomi の次世代 XRing チップは、Arm の未発表のスーパーコア「Travis」を採用する可能性があることがわかりました。Xiaomi はすでに Arm アーキテクチャのライセンスを取得しており、これにより Arm の最先端 CPU コアを統合する道が開かれたと伝えています。
Arm の次世代コア「Travis」とは
Arm は、現行の Cortex-X925 を置き換える次世代コアとして「Travis」を今年 9 月に発表すると予想されています。この新しいコアは、性能と電力効率の両面で大きな進歩を遂げるとされています。
- IPCの向上: IPC (Instructions Per Clock) は、CPU が1クロックサイクルあたりに処理できる命令数を示す指標です。Weibo での投稿によれば、Travis コアはこの IPC において 2 桁の性能向上を実現するとされています。IPC が高ければ、同じ周波数でもより多くのタスクを処理できるため、スマートフォンのパフォーマンス向上に直結します。
- 電力効率の改善: パフォーマンス向上だけでなく、電力効率も大幅に改善される見込みです。これにより、バッテリー持続時間の向上や発熱の抑制が期待できます。
- SME技術のサポート: Travis コアは Armv9 の SME (Scalable Matrix Extension) をサポートします。これは、AI や機械学習のワークロードで多用される、より高度な行列演算を可能にする技術です。
Arm は通常、新しい CPU や GPU の IP を 5 月か 6 月頃に発表するため、9 月の発表は異例の遅さとなります。これは、戦略的な変更や開発サイクルの延長を反映している可能性があります。
まとめ
今年発表された Xiaomi の Xring O1 チップは、Cortex-X925 をベースにしていました。もし次世代チップで Travis コアへのアップグレードが実現すれば、Xiaomi のカスタムチップ開発における大きな進歩となる可能性があります。
もし、この変更が事実であれば、Xiaomi は Qualcomm や MediaTek のフラッグシップチップにも引けを取らないレベルに到達する可能性もありえます。
いずれにしても現時点ではまだリークの段階であり、最終的にどのような仕上がりになるかはわかりませんが、XRing O1 は予想以上の高パフォーマンスとなっているため、次世代にも期待ができそうです。