Google は、 VPN などを利用して他国の安い価格でアプリやサブスクリプションを購入する行為への対策を強化しました。これにより、これまで一部のユーザーが行っていた、より安価な地域設定を利用してサービスを契約するといった方法が利用できなくなります。
これまでの状況と新たな対策
近年、多くのアプリやサービスがサブスクリプションモデルを採用しており、ユーザーは月々の支払い負担を少しでも軽減しようと様々な方法を試みています。
その一つとして、VPN (Virtual Private Network) を利用して、自身の所在地を物価の安い他の国に偽装し、その国の地域価格が適用された安価な料金で契約するというテクニックがありました。例えば、Spotify のようなサービスが、ナイジェリアやインドといった地域でより低価格で提供されている場合、VPN を経由することでその価格でサブスクリプションに登録できるといったことです。
しかし、Google はこのような行為を問題視し、Google I/O 2025 のセッション「Maximizing ROI on Google Play」の中で、同社は地域価格差を悪用した不正購入に対する保護をより多くの国に拡大したことを発表しました。
Google は現在、地域間の価格差を悪用した不正な購入を自動的に検出し、ブロックするようになりました。

開発者とユーザーへの影響
この変更は、アプリ開発者にとっては朗報です。開発者は収益を損なうリスクを心配することなく、地域に合わせた価格設定やプロモーションを積極的に展開できるようになります。
一方で、これまでこの抜け道を利用してきたユーザーにとっては、一つの節約手段が失われることになります。今後は、自国の適正価格で購入するか、サブスクリプション自体を見送るか、あるいは別の手段を探す必要に迫られるかもしれません。
Google Play のその他の取り組み
さらに Google は、アプリ開発者が期間限定コンテンツの提供をより細かく管理できるよう、Play Console における支払い場所の制限機能を提供しています。また、サブスクリプションの無料トライアルにおける不正利用に対する保護も強化されました。
これらの対策は、長年にわたってユーザーが見つけてきた様々な不正利用の抜け道を塞ぐものです。一部のユーザーにとっては残念な変更かもしれませんが、これらの保護措置は Play ストアのエコシステムを強化し、より多くの開発者が安心して参加できる環境を整備することにつながり、結果として多くのユーザーにとって良い方向に進むことが期待できます。
出典: Android Authority, YouTube (Maximizing ROI on Google Play)