Google I/O 2025 で発表された Gemini の新機能まとめ

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Google は、2025 年 5 月 20 日(米国時間)に開催された Google I/O 2025 において、AI アシスタント Gemini の大幅な進化と多数の新機能を発表しました。

すでに日本語の Google 公式ブログでも Gemini の新機能について紹介されていますが、改めてその内容を紹介していきます。

目次

Gemini の主な新機能とアップデート

Google I/O 2025 で発表された Gemini の主なアップデート内容は以下の通りです。

  • Gemini Live: スマートフォンをかざして話すだけで操作できる Gemini Live のカメラと画面共有機能が、Android と iOS で無料提供開始されます
  • Imagen 4: 高画質、優れたテキスト描写、高速な処理速度を特長とする新しい画像生成モデル Imagen 4 が搭載されます。 Veo 3: 効果音、背景音、キャラクター間の対話をネイティブにサポートする世界初の動画生成モデル Veo 3 が搭載されます
  • Deep Research と Canvas: 情報分析、ポッドキャスト作成、ウェブサイトやアプリのヴァイブコーディングなど、新たな可能性を広げる大幅なアップデートが行われました
  • Chrome との連携: Gemini が Chrome ブラウザでも利用可能になり、ウェブ閲覧中に質問ができるようになります
  • 学生向け特典: 世界中の学生がインタラクティブなクイズを簡単に作成できるようになります。米国に加え、日本、ブラジル、インドネシア、英国の大学生は、本日から 2025 年 6 月 30 日までの申し込みで 15 ヶ月間、Gemini のアップグレードを無料で利用できます
  • Google AI Ultra: 新しいプレミアムプラン Google AI Ultra は、Gemini アプリの利用上限の拡大や新機能をいち早く試したい先進的なユーザー向けのプランです
  • 2.5 Flash: 新たな標準モデルとなり、優れた品質と超高速な応答時間の両立を実現します

Gemini Live が Android と iOS で無料提供開始

Gemini Live のカメラと画面共有機能が Android と iOS のすべてのユーザーに無料で提供開始されます。

この機能は、壊れた家電のトラブル解決や個人的な買い物のアドバイスなど、多岐にわたる用途で活用されており、テキストベースの会話と比較して平均 5 倍長い会話時間を記録しています。

今後数週間で、Gemini Live は Google カレンダーや Google マップ、Google ToDo リスト、Google Keep との連携を深め、日常生活をよりシームレスにサポートします。

例えば、友人との外出予定を Gemini Live に相談するだけで、Google カレンダーに予定が自動作成されたり、シカゴ風ピザが食べたくなった際には Google マップの最新情報を提案してくれたりします。

これらの連携機能や個人情報は、アプリの設定画面からいつでも管理可能です。

Imagen 4 と Veo 3 の提供開始

高精細な画像生成が可能な Imagen 4 が、本日より Gemini アプリで全ユーザーが利用可能になります。

Imagen 4 は、プレゼン資料、ソーシャルメディア用の目を引くグラフィック、イベントの招待状などに活用でき、実物のような精細さと、より美しくなったテキストやタイポグラフィ表現が特長です(18歳以上のユーザーが利用可能)。

短い動画を生成できる Veo 3 は、単に動画シーンを生成するだけでなく、都会の喧騒、葉のそよぐ音、キャラクター同士の会話といった音声要素もシンプルな文章指示から生成可能です。 Veo 3 は音声生成を標準機能として搭載しており、これまでにない没入感あふれる映像体験を提供します。

なお、Veo 3 は米国の Gemini Ultra ユーザー向けに本日より提供が開始されます。

Deep Research と Canvas: 分析力と表現力の向上

Deep Research は、本日より、公開情報とユーザー自身の PDF や画像などのプライベートデータを組み合わせた、完全にカスタマイズされた包括的な Deep Research レポートが作成可能になりました。

これにより、独自の知識と広範なトレンドを一箇所に集約し、全体像を把握することで、時間節約だけでなく、新たな洞察の発見も期待できます。

例えば、マーケットリサーチャーは社内の売上データ (PDF) をアップロードし、公開市場動向と照合できます。近日中には Google Drive および Gmail との連携も予定されています。

Gemini アプリの Canvas 機能は、Gemini 2.5 モデルにより、インタラクティブなインフォグラフィック、クイズ、45言語対応のポッドキャストのような会話形式の「音声概要」などが作成可能になりました。 特に Gemini 2.5 Pro は、複雑なアイデアを驚異的な速さと精度で実動するコードへと変換する「バイブ コーディング」を実現し、ソフトウェア開発の敷居を下げます。

Chrome に Gemini が統合

明日より、デスクトップ版 Chrome の Gemini が、Windows および macOS で Chrome の言語設定を英語にしている米国の Google AI Pro および Google AI Ultra サブスクリプションユーザーを対象に、順次提供開始されます。

初期バージョンでは、閲覧中のウェブページの複雑な情報を分かりやすく説明したり、要約を依頼したりできます。 将来的には、複数タブを横断した情報処理やウェブサイトの操作も可能になる予定です。

インタラクティブなクイズ機能

Gemini は、学習をより楽しく主体的にするためのインタラクティブなクイズ機能の提供を開始します。 例えば、「熱力学に関するクイズを作成して」と依頼するだけで、カスタマイズされた学習体験が可能です。 回答後には即座にフィードバックが返され、重点的に学ぶべき分野が示されます。 さらに、苦手分野に焦点を当てたフォローアップクイズも提供され、弱点克服をサポートします。

この機能は、本日よりデスクトップとモバイルの世界中のすべての Gemini ユーザーに提供されます。

また、特筆すべき点として、米国に加え、日本、ブラジル、インドネシア、英国の大学生は、本日より 2025 年 6 月 30 日までの申し込みで 15 ヶ月間、Gemini のアップグレードを無料で利用できる特典が提供されます。 対象国は順次拡大予定です。

Google AI Pro と Google AI Ultra: 新たなサブスクリプションプラン

先ほど別で記事を書いていますが、本日より、Google AI Pro と Google AI Ultra という 2つの新しいサブスクリプションプランの提供が開始されます。

  • Google AI Pro: 月額 2900円で AI ツール一式を利用可能です。 従来の Gemini Advanced を置き換え、Flow や NotebookLM などの製品へのアクセス、特別な機能、より高い利用上限が含まれます。
  • Google AI Ultra: Google AI への VIP パスとして、最も高性能なモデルへの最大の利用上限でのアクセスや、実験的な AI 機能への早期アクセスを優先的に提供します。 Ultra 加入者は、近日公開予定の Veo 3 や Gemini 2.5 Pro Deep Think モードへも公開後いち早く利用できます。 さらに、デスクトップ向けの新機能 Agent Mode への早期アクセスも近日中に提供予定です。 Agent Mode は、リアルタイムウェブ検索、詳細なリサーチ、Google アプリとの連携などを統合し、複雑な複数ステップのタスクを最小限の指示で管理できます。 Google AI Ultra は米国から提供開始し、月額 249.99 米ドルで、最初の 3ヶ月間は 50% 割引となります。

なお、すでに Google Workspace アカウントを含め、「Gemini Advanced」という表記ではなく「Pro」という表記に置き換わっています。

Gemini AI Pro 表記に変わった Gemini の画面

まとめ

Google I/O 2025 で発表された Gemini の進化は、AI が私たちの生活や仕事、学習のあり方を大きく変える可能性を示唆しています。より直感的で、より強力なサポートを提供する Gemini が、今後どのように活用されていくのか、非常に楽しみです。

出典: Google The Keyword

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著者情報

Masahide Omuraのアバター Masahide Omura Technical Writer

月間平均130万PVの当サイトを8年以上運営している 尾村 真英 です。これまでに 50台以上の Chromebook をレビュー しており、主に小規模事業者を対象に Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行っています。
現在は、Chrome Enterprise 公式ユーザーコミュニティのモデレーターとしても活動中で、Professional ChromeOS Administrator 資格を保有しています。

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