Xiaomi が自社開発のスマートフォン向けチップの開発に取り組んでいることは以前から知られていましたが、最近までその多くはリークや噂に留まっていました。しかし、今回 Xiaomi は自社開発チップ「XRING O1」の存在と発表時期を公式に認めました。
2025 年 5 月 22 日 : Xiaomi が正式に Xring O1 搭載の Xiaomi 15S Pro を中国市場向けに発表しました。詳しくは こちらの記事 をご覧ください。
Xiaomi の共同創業者兼 CEO である Lei Jun 氏は、自身の Weibo アカウントでこの発表を行いました。Xiaomi 初のスマートフォンチップは「XRING O1」と名付けられ、5月下旬に発表される予定です。

現時点で公式から明らかにされている情報は以上ですが、Weibo のリーカー Digital Chat Station 氏がこの新しいチップについていくつかの情報を提供しています。
伝えられるところによると、このチップの開発には 10年の歳月が費やされたとのことです。これが事実であれば、Xiaomi は世界で4番目、中国では2番目に自社製スマートフォン SoC (System on Chip) を開発したブランドとなります。このチップは 5nm 未満のプロセスで製造されると報じられています。
XRING O1 の予想スペック
以前の報告によれば、このチップは TSMC の N4P ノード、つまり 4nm プロセスで製造されるとされています。
スペックに関しては、XRING O1 は 1+3+4 構成のオクタコア CPU を搭載すると噂されています。具体的には、高性能な Cortex-X925 コア (3.2GHz) を1基、Cortex-A725 コア (2.6GHz) を3基、そして電力効率に優れた Cortex-A520 コア (2.0GHz) を4基搭載する構成です。スペック上は、今年 MediaTek から発表された上位チップに近いものと見られます。
- 3.2 GHz ×1 Cortex-X925
- 2.5 GHz ×3 Cortex-A725
- 2.0 GHz ×4 Cortex-A520
グラフィック処理は、Imagination Technologies 製の IMG DXT72 GPU (1.3GHz) が担当すると報じられています。この GPU は、Snapdragon 8 Gen 2 に搭載されている Adreno 740 を上回る性能を持つ可能性も示唆されています。
現在のリーク情報に基づくと、XRING O1 は最新の Snapdragon 8 Elite や Dimensity 9400 と真っ向から競合するものではないかもしれませんが、Snapdragon 8 Gen 2 に近い性能を持つことが予想され、フラッグシップに近い性能を持つチップとして位置づけられるようです。
前回の記事でも書いていますが、独自のチップという点では、Google Pixel に搭載されている Google Tensor や Samsung Exynos チップが主なライバルになる可能性があります。
まとめ
今回、Xiaomi が正式に自社製チップを開発していることが明らかになり、名称も「XRING O1」になることが確認されました。このチップをどの程度のデバイスに拡大するかはわかりませんが、たとえ一部のフラッグシップモデルにのみ搭載するとしても、ハードウェアの統合からソフトウェアの最適化に至るまで、同社がより多くのコントロールを得られる可能性があります。
なお、現時点では XRING O1 チップが最初に搭載されるスマートフォンとして、Xiaomi 15s が候補に挙げられています。