Google ウォレットに、より簡単に非接触で支払い用カードを追加できる新機能が導入される可能性があることが報告されました。
この情報は Android Authority によるもので、最新の Google Play 開発者サービス ベータ版 (バージョン 25.16.33) の APK ファイル解析から、NFC を利用してカードをスマートフォンにタップするだけで、Google ウォレットに登録できる機能が開発中であることが判明しました。
開発中の「タッチで追加」機能
現在、Google ウォレットにカードを追加するには、スマートフォンのカメラでカードをスキャンするか、カード情報を手動で入力するか、あるいは銀行・カード会社のアプリから連動する必要があります。しかし、近いうちに NFC 対応カードをスマートフォンの背面にタップするだけで、簡単にカードを追加できるようになるかもしれません。
今回の報告では、実際に機能は有効化できておらず、開発中のコードでのみ確認できています。そのコード内には、ユーザーに操作を促す以下のようなテキストが含まれていました。
- Tap to add a card (タップしてカードを追加)
- Hold your card close to the back of your device until it vibrates (端末が振動するまで、カードを背面に近づけてください)
- Tap card to phone (カードをスマートフォンにタップしてください)
これらの記述から、「カードを追加」画面に、従来のカメラでのスキャンや手動入力と並んで、タップで追加する選択肢が表示されると予想されます。
NFC を利用して、スマートフォンがカード番号や有効期限などの情報を読み取ると考えられますが、セキュリティ上の理由から CVV (セキュリティコード) は手動で入力する必要がある可能性が高いです。また、NFC での読み取り後も、カード発行会社によっては追加の認証手順が必要になる場合もあります。
また、全てのカードがこの機能に対応するとは限らず、特に EMV (Europay, Mastercard, Visa によって策定された規格) に準拠したカードが主な対象となるかもしれません。EMV カードは IC チップにデータを保存しており、カードを挿入する取引と NFC による非接触決済の両方をサポートしています。そのため、比較的新しい EMV 準拠のクレジット/デビットカードであれば、対応する可能性が高いと考えられます。
まとめ
ただし、現時点では、どのカードが対応するかなどの詳細な情報は確認されておらず、この NFC によるカード登録機能がいつ正式に Google ウォレットに導入されるかは不明です。
最新のベータ版に含まれていることから、一般公開もそう遠くない可能性が示唆されますが、決済系の機能は米国先行になる可能性が高く、仮に展開されたとしても、すぐに日本では使えない可能性があります。
また、日本では電子マネー(Suica など)や QR コード決済のほうが主流になっており、スマホで NFC タッチ決済ユーザーは少ない印象ですので、展開されてもどこまで普及するかは気になるところです。